大橋むつおのブログ

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誤訳怪訳日本の神話・17『スサノオ追放!』

2021-01-30 06:50:48 | 評論

訳日本の神話・17
『スサノオ追放!』    

 

 天岩戸をお出ましになったアマテラスはスサノオを高天原から追放します。

 

 スサノオの持っていた珍しいお宝を全部召し上げた上、スサノオのシンボルであった髭を剃らせ手足の爪を全部抜かれてしまいます。

 ちょっとエゲツナイですなあ。

 1945年に連合軍によってパリが解放されると、パリ市民はドイツ軍に協力的であった女性をとっ捕まえては丸坊主にして大通りを歩かせ、みんなで罵倒しました。ちょっと似てます。

 スサノオとアマテラスの関係なのですが、どうも血肉を分けた姉弟には見えません。スサノオが高天原に現れた時も、アマテラスは姫騎士のように完全武装し、高天原の軍勢を従えて迎え撃とうとしています。

 アマテラスはご存知の伊勢神宮の主神であり皇祖神であり天津神(あまつかみ)の代表であります。方やスサノオの子孫である大国主は出雲地方の国津神(くにつかみ)の代表で、のちに高天原の勢力に国譲りして出雲大社に祀られます。

 どうも四五世紀、大和朝廷が勢力を広げて行って出雲地方の勢力を従えたことが反映された神話のようであります。

 余談ですが、アイヌ民族を先住民族とする考え方が国会で決議され、中にはアイヌに自治権を与え分離独立まで言い出す人たちがおられます。その是非はともかくとして、盛大に日本の一部を分離独立させるなら出雲地方の方がドラマチックでしょう。あきらかに大和政権とは別物でした。二十一世紀の今日でも出雲大社の神主は『国造(くにのみやつこ)』の肩書があって元日の地元紙の一面に県知事と並んで賀詞を述べられておられます。むろん、伝統ということで、スサノオとアマテラスの争いに火をつけて出雲地方の人たちに独立しようという気運はありません。

 こういうことで分離独立していたら、世界は今の数十倍に分裂してしまうでしょう。

 地上に放逐されたスサノオは腹ペコで仕方ありません。

 これだけの目に遭って腹が減るのですから、やっぱ、神経のぶっ飛んだ神さまなのです。ですが、「どうして、おいらにゃオカンがおれへんのや~!!」と泣き叫んでは駄々をこねていた(体よく親父のイザナギから追っ払われた)ころのことを重ね合わせますと、かなり子どもじみたヤンチャクレのように思えます。

 腹を減らしていると、大宜都比売(オオゲツヒメ)に出会います。名前からケツのデカい女神様という感じで、どうも作物の豊かさを現わした女神様のようです。

 スサノオに同情したオオゲツヒメは、たくさんの食べ物を出してやります。

 ただ、出し方がぶっ飛んでおります。

「さあ、腹減ってんでしょ、どんどん食ってね!」

 彼女は、鼻や口やお尻の穴から出すのであります!

 これに擬音を付けると、このようでしょうか。

 

 ウ ウゲーーーゲロゲロ プープリプリ ブーブリブリー💦

 

 音だけでも ナンダカ……ですねえ(;^_^A

 それもスサノオの目の前でやって見せるのです!

 ウ、ウ、こいつ、きったねええええええええええええええ!

 スサノオはオオゲツヒメをブチ殺してしまいます。やっぱ、スサノオは切れやすいんでしょうなあ……。

 ブチ殺されたオオゲツヒメの体からに色々の物ができます。

 頭に蠶(かいこ)が、二つの目に稻種(いねもみ)が、耳にアワが、鼻にアズキが、股(また)の間にムギができ、尻にはマメができました。カムムスビの命が現れて、これらを種としたので、その後の日本の農業の基本になりました。

 

 


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