KAORU♪の「気ままなダイアリー」

KAORU♪が見つけたステキな風景、出会ったおもしろいできごと、おいしい料理などを“気が向いた時”にご紹介します。

★夏休み その2 ~おばあちゃん~

2005年08月15日 | KAORUの好きなものギャラリー
               【赤い石鹸箱】

三重県に伯父夫婦と同居している祖母に
久々に会うことができたのがこの夏の大きな収穫。

94歳という高齢で、最近はよく目が見えないというし、
眠っている時間も多いようだが、
ベッドでの話しは尽きることがない。

華やかな若い頃のこと。戦争の辛い時代のこと。
母の娘時代、孫やひ孫たちのこと。
繰り返し聞いた話もたくさんある。
でも、私が大人になったからなのだろうか。
聞き手が成長したからなのだろうか?
それとも長い年月を生きる中で、
彼女も思いが変化したのだろうか?
言葉も内容もずいぶんと変わっていた。

明治、大正、昭和、平成という激動の
4つの時代を生き続ける、ということは
肝っ玉も座り、柔軟でしなやかさがないと
生き抜くことは至難の業だろう。
「明治の女」は“耐えること”と同時に
“主張すること”の相反する面を
併せ持ち、芯からの強さが滲みでる。

天真爛漫なトークが魅力だった祖母は、
(時には母たちも困惑していたけれど)
長男の嫁である伯母にも、子どもである
伯父にも母にもすべての人々に
感謝の気持ちを述べていた。

長い歳月を経て人は穏やかになるのだ、ということを実感した。

ケアマネージャーをしている真ん中の妹が
私の撮った写真を見て、
「わ~!おばあちゃん、透明感がでたね~。
人はね、90歳を過ぎると透明感がでてきれいになるの。
100歳過ぎると光り輝くのよ」と言っていた。

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ファインで主催した5月の元気セミナーで、
講師の矢口恵子さんからこんな話を伺った。


人間は“天”から“地上”へと降りてくるので、
生まれたときの魂年齢というか魂レベルは
天に近く、高いのだという。
それが、だんだんとさまざまな出来事や、
地球上の法則「物質至上主義」つまり
お金や学歴や成果など目に見える世界にどっぷりと浸り、
年を重ねるにつれ放物線を描くように
魂レベルがゆるやかに低くなってくる。
しかし、ある程度の年から
またその線は上昇しはじめる。
魂レベルがもとの位置に上がってくるのだそうだ。

魂はU字の放物線。
肉体は逆U字の放物線を描いている、と
表現したらわかりやすいだろうか。
(数学のグラフでいうと“座標”)

肉体は若い頃をピークに下降線をたどる。
その反対に魂のラインが上に向いていく。

涙腺が弱くなって、涙もろくなるのは
年を取った証拠と老化現象のひとつとして、
ちょっぴりはずかしげに表現するが、
それは自分の感受性が磨かれてきた証拠。
胸を張れることなのだと思う。

悲しい出来事や、嬉しい出来事に感動できず
“別に何とも思わないわ”と胸を張る人々に
時たま遭遇するが、ちょっと待って!
もしかして放物線の上昇が始まってないんじゃないの?
ちょっぴり我が身を振り返ってもよいのかも、
なんて思ったりする。

ただ単に感情を表に出すのが照れるのか、
本当に何も感じていないのかわからないが、
大人になっても心は若者!とか
突っ張っていることがカッコいい時代は終わったのだ。

もちろん、放物線の形は人それぞれだ。
必ずしも左右対称のきれいな形を描くとは限らないだろう。
子どもの頃から、下がることなく浅いカーブの人もいるだろうし、
思いっきりU字の深いカーブを描きながらも、
年齢とともに上向きになってくるパターンもありだろう。
時にはU字の底がマイナスレベル、なんて激しいパターンを
経験しないと上昇できない人もいるのだろう。

また、ゆるやかなカーブではなく、
あることを境に突然レベルアップ!
なんてパターンもあるだろう。
そんな場合には左右非対称。
急な放物線を描くのだ。
え?あの人、急にいい人になってない?
なんかあったの?と
ささやかれるパターンはこれにあてはまる。

63億人がいれば、カーブの形は63億通り。
人のカーブが違っていても
ストレスをためることはないのかもしれない。
いずれ、みんな上がるようになっている。

そして、仮に今回(つまり今生)
上昇するチャンスを逃してしまったら
次回(つまり来世)に持ち越されるだけのことのようだ。
その場合には放物線が次のページへとまたがり、
大きな大きなカーブとなるのだ。

だから、あなたの周りの人が
たとえ放物線が上がっていなくても、
まずは自分のカーブをいかにして
上げていくかに神経を集中させて欲しい。

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「大切なことはね、くよくよしないこと。
そして後ろを振り返らないこと。
嫌なことを思い出しても口に出さないこと。
言葉にするとそれがまた鮮明な出来事として甦って
よけいに自分を苦しめてしまうのよ。
だからそっと胸の中にしまっておくの。
明るく楽しく生きること。
・・・それが今思うと長生きの秘訣なのかしらね。」と
人生の大先輩は穏やかな口調で私と息子に教えてくれた。

激動の4時代をくぐりぬけ、100年近い年月の経験からくる
アドバイスはやはり重みと深さが違う。



「生きているうちにまた来てね」と言いながら
涙をぬぐう祖母の、細くなった体を優しく抱きしめて
「また来るね!」と微笑みを返し、
手を振り、私たちは別れを惜しんだ。

次の再会を心から楽しみにしている。

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