KAORU♪の「気ままなダイアリー」

KAORU♪が見つけたステキな風景、出会ったおもしろいできごと、おいしい料理などを“気が向いた時”にご紹介します。

★妹のインド荒療治紀行

2005年08月20日 | KAORUの好きなものギャラリー
               【オシロイバナ】

今日、末の妹NAOKOがインドで買った真っ赤な
民族衣裳を纏って会社にやってきた。

やわらかくゆったりとした綿素材は、
風をふくむようにふわふわとしなやかで、
灼熱のような日中でも
エキゾチックでいて涼しげである。

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そういえば、これは去年の5月頃の話。
彼女は5~6年ほど唇のひどい荒れに悩んでいた。
西洋医学はもちろん漢方薬をためしたり、
ホリスティック医療(西洋医学と東洋医学の合わせたもの)など
果敢にチャレンジしたが、いっこうに回復しない。
「ステロイド」など強い塗り薬は即効性があり、
瞬間、腫れが引いても翌日にはまた、ぶり返す。
口のまわりも赤くなり、真夏でもマスクが手放せなくなった。

だんだんと、しゃべるのも人に会うのも
億劫になって、うつむきがちになっているのが
傍目から見てもわかるほど辛そうであった。


…そんなある日、パソコンに向かって何かを
見つけたらしく、突然大声で叫んだ。

「私、インドに行ってくる!さ来週から!」と
声を弾ませている。

えっ…?何しに?と聞くと
「アーユルベーダの本場インドで
“毒出し”と“体質改善”!
これで治るかもしれないわ!
そしてあわよくばダイエットよ」と
一石二鳥のプランに目がすっかり夢の世界を泳いでいた。

「16日間で3食付き、ヨガやオイルマッサージ、
サウナ、医者ともチームになって
しっかりしたコースがなんとホテル代込みで12万っ?安い~!」と
すべてネットで手配をして、ゴールデンウィーク前に
意気揚揚と出かけていった。

まずカウンセリングから始まって
最初の毒出しは、
「くしゃみコース」か「下剤療法」、「催吐法」など
想像するのも恐ろしい方法で体内の汚れを洗い流す。

パソコン持参で日々の出来事や感想がメールで
送られてきて、ふんふん、快適そうでなにより!
なんて思っていたら、途中から徐々に熱が出た、
具合が悪い、との内容に変わってきてしまった。

それでも、今朝は大丈夫!調子がいいの。
観光や買い物に出かけたよ、などと報告を受けると、
少し安心して、無事体質改善ができることを祈っていた。

最終日は回復したわ、と飛行機が出るまで
空港のネットカフェからメールでやり取りをして、
時間通りの便で日本へと帰路についた。

到着するとすぐに電話があり、
機内では再び調子を崩しずっと横になっていたけれど
大丈夫、明日は朝から出勤するからね!と
旅の疲れのせいもあり、少し力のない声ではあったが、
帰国の報告に胸をなでおろした。

翌日は土曜日だった。

思っていたよりもずっと元気で、
楽しいおみやげ話を聞きながらランチを共にした。
このヨモギパンおいしいわ~、はい口あけて!と
一口大にちぎったパンをほうり込んでくれた。

よかった、よかった。
少し体調は崩れたものの、いい旅だったんだね!と
皆、彼女の帰りを喜んでいた。

そして、週が明けて月曜日。
私はお花のレッスンの日で朝から表参道で過ごしていた。

昼に携帯の着信に気づき、ファインに電話をすると、
大変なことになっちゃったのよ~!と慌てふためいた声がした。

白衣にマスクをした人達が数人、
ゴーストバスターズのように、消毒液を持って
突然、会社に来たのだという。

そして、いきなり会社中を消毒し始めたそうだ。

「みなさん、インド帰りのNaokoさんから
離れて~!!!」と言われたかどうかは定かでないが、
とにかく彼女は病院に連行され、そして隔離された。

なんと『赤痢』にかったらしい。

空港で、気になり検査室に立ち寄ったらしいのだ。
週が明け、検査結果を携えて
バスターズのご一行が乗り込んできたのだった。

そして私達まで2次感染をしていないかどうか、
側にいた全員が“ブツ”を提出させられた。
は~、便秘じゃなくてよかったよ…。
こういう時は一気にみんなに紛れて出すに限る。
あとからひとりは目立っちゃうからね。
なんてヘンなところで胸を撫で下ろしたり。

それにしても、パンをあ~ん、なんて
普段やらないことをしちゃったことを後悔した。
(注:そんなことでは感染しないらしい。)


これもまた、結構過ぎれば面白ネタに
なるんじゃないかな、と考えて見たり、
いやいやTVとか新聞とかに出ちゃったらどうすんのよ…
とさまざまなことを想定しては笑ったり
青ざめたりしていた。


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結果的に病院には入院せず2週間ほど、
家で療養となり、他の誰にも2次感染をすることなく
無事にその事態を切り抜けることができた彼女は、

「は~、もう辛い思い出ばかりだったわ。
もう行きたくない!」とコリゴリの様子だったのに、
つい最近「インドってやっぱり楽しかったわ。また行きたい!」と
シャラっと言ってのけた。
やはり人間って喉もと過ぎれば忘れるように
できているのかもしれない。

そしてほとぼり冷めたある日、
インドの写真を見せてもらったら、
風景や観光地がちっとも写っていない。
なんで食事ばっかりなの?と尋ねたら、
「そう言えばそうなのよ!なんでこんなに食べ物ばかりを
撮ってしまったんだろう?」と本人も首をかしげていたが、
でも保健所の人や病院でどんな食事を食べたかを
事細かく聞かれた時すべてを画像つきで答えられたそうだ。

「こんなにきちんと記録している人はそうそういませんよ」と
感心されたそうだが、もちろん事態を予測していたわけではなく
偶然の産物。食欲が結果的に役に立ったらしい。

日本へ帰ってからも毒出し作業をした我が妹は
あれから1年、すっかりと口のまわりがキレイになった。
ストレスからくる神経性の炎症だということを
ある日のこと、ハッと確信したのだそうだ。
それからは、極力自分の心の持ち方に気を配る様に
なり、長い長いトンネルから脱出できたようだ。


「心身一如」

心と体は密接な関係でひとつとなっている、ということを
彼女の経験から私も学ぶことができた。
インドの騒ぎが直接のきっかけではないと思うが、
荒療治も実は大きく影響しているのかもしれない、と
ひそかに思っている。









コメント (2)
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