初めての進級テスト。
ビジネス英語を身につけたいわけでもないし
大学で博士号を取るわけでもないから
のんびり楽しみながら少しずつ話せるようになったらいいな、
ぐらいのモチベーションだったけど
テストがそういえば、当たり前だけどあるんだよね;^_^A
だけど、入学のクラス分けテストの出来が悪く
前回のマルタ留学同様に、かなり下のクラスに配属されたため(笑)
…英語のテストは相変わらず低すぎる点数で、
情けないほどに笑っちゃう。
中学生レベルのwillから始まり、
shouldとかwouldとかmustなど
おなじみの単語の繰り返し。
それでも細かい部分の再確認をしたい私は、
何十年同じことやればしっかり頭に入り込むのかしら、
と思いつつ一生懸命ノート取って、
復唱して、宿題も忘れずに取り組む毎日(^_^*)
Sayoriちゃんにも、ミナミちゃんにも、
ゲストハウスのKiyoeさんにも、
KAORUさんはレベル5ぐらいじゃない?と言われ
はたまた選択授業の会話クラス担当
厳しいガビー先生にも
あなたはレベル4?レベル5?
もう一回テスト受け直して、
レベル上げてもらったほうがいいよ!(最高がレベル8)と、
何人にも言われているのに
配属通りのレベル3を貫くこと3週間。
ついにレベルを上げるためのテストの日が来た。
いつもだったらちゃんと勉強するけど、
今回ばかりは記憶に任せて
出たこと勝負の行き当たりバッタリ。
だって、私が入る以前は
Are you〜?とか、Can you~?
Do you〜?Did you? Does it〜?
などの過去形や3人称単数。
まさしく中1レベルの初歩をやっていたのだそうで
細かい部分は危なげだけど、
なんとなーく大丈夫♪
レベル3の最後の方から入学したので
前半の分をどうやって勉強したらいいのか先生に聞きに行ったら、
あなたは問題ないわよ、
言ってることちゃんとわかっているから。
質問に対してしっかり答えてくるから、大丈夫!
と言われ、テキストもないし
(いつも誰かに見せてもらってた)勉強なしで、
進級テストにのぞむ。
午前中は、テキスト最後までの授業をしてから
お昼くらいからスタートという段取りで
その前には先生があれこれとテストのポイントを教えてくれる。
すると、ロシア人のユリアが
先生、私自信ない…
didn´t not という書き方でいいの?
先生もクラスメイトたちもいっせいに
didn´t だけでいいんだよ!
notは2つもいらないよ!
と口を揃えて言うんだけれど、よくわからない様子。
do does didを勉強していないから私、できない…
今度はwouldの説明と、復習になったとき、
ユリア、わかる?と先生が聞くと
あ、wouldはわかるから大丈夫!
って(^^;)))…いったいロシアでは
どんな英語の勉強してるんだろ?と思いつつ
テスト前にトイレに行きたい人、行ってきて。と
トイレタイムに、2回も席を立ちそわそわ落ち着かない様子。
そして、再び授業が再開されると、
先生、私やっぱり自信ない。
と泣き出すユリア。
私と目があったほんの一瞬、
小さく手のひらで丸を作って、
Don´t worry!大丈夫だよ!と小声で声援を送った。
真っ赤な目をして不安な表情の彼女は、
たぶん30才代。
ロシアではライターでお店の紹介やいいスポットの案内記事を書くお仕事で、
見た目はキャリアウーマン風。
ブルーの瞳とブロンズの長い髪、白い肌でカッコいい女性。
そんな彼女が、doとdoesとdidを知らないと言って泣いてる…
日本人だったらさすがにdoは聞いたことあるから泣くほどではない話なのに。
しかも一見強そうで自信ありげな素敵なロシア美人。
こうやって机を並べて、同じ時を過ごして始めてわかる。
みんな同じなのだと。
見た目だけじゃ、表面だけじゃわからない。
テストの答案用紙を後ろにまわすクラスメイトたちは、
Good luck!と言って手渡していた。
そこには国境なんて存在しない。
日本なら、がんばって!とかガンバろうね!に
なる場面なんだと思うけど
こちらではGood luck. ~幸運を~
相手の幸運を祈るだけなんだ。
くしゃみは縁起が良くないとされていて
どこでも、誰かがすぐに
Bless you. ~祝福を~
God bless you
神のご加護がありますように
と祈る意味。
なんてステキな言葉を贈るのだろう。
不安な気持ちや自信のない心は誰でも同じなのだと、あらためて知る。
そして、それに対しての心を配るフレーズは
いたってシンプルで聞き慣れた言葉だけれど
祈るだけ。
その奥にある深さを知る。
私のクラスは現在29名。
短い人で数週間の滞在、数ヵ月から長い人は年単位で在籍と期間はさまざま。
入れ替わりが激しいけれど、
見渡してみると、国の数は軽く15ヵ国近くになる。
最年少はサウジアラビアの16才。
私がたぶん最年長で約40才の年齢差。
この狭い空間はまるで地球がギュッと凝縮されたミニワールド。
テキスト見せて!
今、先生なんて言ったの?
シャーペンの芯持ってる?
ノート忘れたから、1枚くれる?
消しゴムかして!
ん?宿題どこだって?
わからなかったらすかさず、
まわりが教えてくれる。
子どもの頃に経験した懐かしい学校生活が
今の私の日常生活。
しかも、異国で体験する同じ空気感。
肌の色が違うから、とか
知らない国だから警戒する、
とかコワイとかまったく存在しない世界。
毎日飛び込んでくる激しいニュースとはまったく無関係の、
平和で穏やかな空気がここには流れている。
ニューヨークのど真ん中。
なにがあってもおかしくない世相だけど。
なにがあってもおかしくない場所だけど。
それでも、心配するよりも信じていこう。
私たちはみんな、こんな風な世界を
いつの日かきっとつくっていける。
いつの日かきっと。