すぎなの風(ノルウェー編)       ∼北欧の北極圏・トロムソから∼

北欧の中のノルウェー、
北極圏でも、
穏やかで住みやすいトロムソから
お届けいたします。

この語力でアンティックブティックに就職できたって?

2020-01-31 | ノルウェーの生活

トロムソに太陽が戻ってきました~。この絵、出したその日に売れました。

 アンティークブティック? あら、いいかも!

「Haruko、アンティークブティックなんて、どう?」

ノルウェー語学校の先生が、そう言ってくれたのが、
去年の5月、就職を考える時期でした。

私は、自分のやりたいこととは別に、
身の丈に合った仕事で収入がほしいと願っていました。

ノルウェー語学校で、難民には仕事の練習の支援がありますが、
ノルウェー人を伴侶に持つ者にはありません。

大体の人は、
NAV(ノルウェー在住全ての人の労働、福祉に関する斡旋、相談機関)に行きます。

でも、たぶん彼らの提案は、私の持っている資格、仕事歴からでしょう。

体力、気力的に過去と同じ仕事に気が進まない私は、
NAVは最後の手段だと思っていました。

ついにNAVに行ってみるか、と思い始めた頃、
この愛ある救いの提案だったわけです。

そうでした、
私はかつてインテリアコーディネーターの資格を取り(更新してないので今はない)
インテリアブティックで働いたこともあったのでした。

しかも、新しいものもいいけど、
古いものも好き。

うーん、いいかも!

「私、アンティークブティックに仕事の練習(無給)をさせてもらえるか、当たってみます」

と言うと、

「アンティークブティックをしている友人に聞いたら、
 一度話しにいらっしゃい、と言ってたわ」。

そこで、履歴書も持たずに行ってお喋りしていたら、
「週一日でいいなら、いらっしゃい」

ということになったのです。

店長と朝のカフェミーティングはここ。窓際で歩く人と笑み交わしながら。

 お給料をもらうには、何年かかることか・・・。

一日目、働いてわかったこと。

・ここには、買いに来る人だけでなく、
 回顧に浸りに来る人、遺品を売りに来る人など、
 いろんな人が来て、対話がとても重要。
・ツーリストも多いので英語も要る。
・ノルウェー人は方言も多種で、全く私には聞き取れない。
・歴史的なことから商品に関するまで、かなりの知識が必要。  

うーん、難しい。 
しかし、このお店が気に入った私は、店長に聞いてみました。 

「1. 今求人はあるのか?
 2. 仮に働けたとして、お給料をもらうには、どんな力が必要か?
 3. いつまで練習に来ていいのか?」

すると店長の答えは、

「1. 今、求人はしてない。
 2. 電話を受けることができて、一人で店番ができる。
 3. 練習は、いつまででも来ていい」。

こりゃ、ここでお給料をもらうには、何年かかることか・・・。
でも、何事も経験。
とにかく続けてみることにしました。

 

「無給」でも、無駄ではない!その訳は? 

接客だけでなく、仕事は他にも沢山あります。
まず商品を店に出す前に、 
綺麗に洗う(陶器、ガラス等)、磨く(銀、金、錫のもの)、
アイロンをかける、レイアウトを考えて展示する。 

ある日、ふとクッションのほつれを直したら、 
「あなた、縫物ができるの?」ということで、
手縫いで直す、という仕事も増えました。 

立ち仕事が多く、昼食を食べるのもお客さんを見ながら。

でも、私には、
商品をピカピカにするのも、
お客さんの様子を見るのも、話を聞くのも、
歴史を知れるのも楽しいのです。

「無給でそんなに働くなんて!」と若者から言われたものです。
でも、決して無駄ではないのです。
無料で、仕事の体験をさせてもらえて、
英語、ノルウェー語の勉強もできるのです。

そして、実は、もう一つ大きなメリットがあるんですよ。

ノルウェーでは、仕事を探すとき、
履歴書とReferanseが必要になります。

Referanseとは、
前の職場の人が、その人の勤務態度・実績など書いたもの。

これが次の就職に効くのです。

ノルウェーの織物、糸を指した大きな柄、全て毛糸が材料。

「少しでもお給料をもらえないでしょうか?」

夏休みを除き、2か月ほど働いたとき、
思い切って、私は店長に尋ねてみました。

「私は、ここで働くのが好きです。
でも、少しでもお給料はもらえないでしょうか?」と。

お給料が出ない、または、給料があまりにも低かったら、
Referanseを書いてもらって辞めよう、と決めていました。

すると・・・

「私もあなたのことを考えてきたのよ。
 私には新しい仕事が要る。
 初任者としての通常の時給を払うわ。どう?」と。

「えーーー!?
 喜んで続けさせていただきます!」

もちろん、私はまだ電話も受けられませんし、

一人で店番もできません。

それでも、「私の仕事」にお金を払ってもらえる。
なんと有難いことでしょう。

あとは、一人で店番ができるようになりたい!

私の好きなレース。これは、どれもかぎ針編みではありません。

今は、毎週水曜日、

週によっては土曜日も仕事をさせてもらっています。

そうそう、お店の名前は、
Antikkbutikk Edel(アンティークブティック エーデル)

毎週水曜日は、出勤しております。(土曜日もいるかも!)
トロムソにお越しの際は、ぜひお立ち寄りください。
私が日本語でご案内いたします!

トロムソの街にあるTROMSØ DOMKIRKEの真ん前にあります。

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