頑固爺の言いたい放題

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森友騒動の総括

2020-06-01 15:41:10 | メモ帳

「月刊WILL」7月号に森友事件の中心人物である籠池泰典氏とその子息の佳茂氏の手記が掲載されている。今回はその二つの手記をテーマにする。以下、泰典氏の手記からの引用は赤字、佳茂氏の手記からの引用は青字にする。

読者の記憶を新たにするために、まずこの事件の発端についてのコメントを引用する。

2016年、豊中市会議員の木村真氏が「瑞穂の国記念小学院」建設予定地の土地取引について、財務局に情報公開を求めました。ところが、売却価格は公開されなかった。そこで2017年2月8日、木村氏は財務局の対応を違法として、大阪地裁に提訴した。これが森友事件の発端です。

森友学園のホームページを見ると、「名誉校長」として安倍明恵さんの名前が記されている。安倍夫妻と私たちの関係に目をつけたマスコミと野党議員が、嬉々として学園を訪れました。真っ先に駆けつけたのは辻元清美衆議院議員です。それ以来、朝日新聞が森友問題を報道し続け、その記事をもとに野党が安倍江首相を追及することになった。

暫くして佳茂氏が左派のジャーナリストである菅野完氏を籠池邸に連れてきて、それ以後菅野氏がメディア対応を仕切るようになった。これが籠池一家の大きなターニングポイントになり、すべて菅野氏のコントロール下におかれるようになったという。結果論だが、菅野氏を対外交渉役に起用したのが、最大のミステークだった。菅野氏を父親の泰典氏に紹介したことについて、佳茂氏は次のように述べている。

私はずっと、父に対して罪悪感を抱いていました。・・・菅野氏は「日本会議の研究」(扶桑社)などで知られる左派ジャーナリストですが、当時の私は彼の本性を知りませんでした。「ご両親は悪くない」「大阪府と財務省が悪い」と我々の肩を持ってくれた菅野氏に、「この人の力を借りれば状況を打開できるかも知れない」と期待し、父に紹介したのです。菅野氏は、「私の紹介以外に、メディア関係者には会うな」と指示し・・・(以下省略)」

安倍明恵さんから父が百万円を受け取ったという主張、物証として示された振込用紙もすべて菅野氏のアイディア=捏造です。父が証人喚問で「明恵夫人から首相からの寄付金として百万円受け取った」と証言しましたが、これも菅野氏が書いた原稿を読んだものです。

爺は、泰典氏が安倍首相の選挙演説の時に、百万円が入っていうと思しき紙袋を安倍首相に差し出そうとしている場面をテレビ画面で見たとき、違和感があったが、やはり舞台裏に振り付け師がいて、泰典氏はその指示通りに踊っていたというわけだ。これで納得がいく。

佳茂氏の手記に戻る。

森友学園の土地取引には違法性はなく、地中に埋まっていたゴミの存在を隠していた財務省の怠慢が招いたものです。安倍首相への忖度などあるはずがない。ところが朝日新聞は、「財務省が安倍首相に忖度して値下げした」というストーリーをつくり上げ、切り取り報道によって虚偽の物語を無理やり正当化しました。朝日新聞を始めとする新聞社だけでなく、NHKなどテレビ局もスクラムを組み、ありもしない疑惑を報じる。報道をもとに野党議員が連日のように安倍首相を追及するという、不条理で恐ろしい倒閣運動が展開されたのです。

話を泰典氏の手記に戻す。

いま振り返れば、森友騒動が表面化する前から、すでに我々の教育に「右翼」のレッテルを貼って潰そうとした者たちがネットワークを築いていたのだと思います。・・・第一目標である森友学園潰しに成功すると、彼らは急に我々の肩を持ち、今度は倒閣運動に利用した。森友学園と安倍政権を同時に破壊するー活動家と野党議員、メディアによって壮大な両面作戦が展開されたのです。この構図こそ、森友問題の核心といえるでしょう。

*泰典氏の手記の冒頭に登場する木村真氏が、下線部分の「潰そうとした者たち」の一人らしい。

爺は籠池氏の教育への情熱には敬服する。人生を賭けたサクセスストーリーが完成する一歩手前で、政治が絡んで挫折し籠池氏はさぞ悔しかろう。しかし、手記には書かれていないが、関係当局に提出した書類に意図的不備があったと記憶するし、補助金を過剰に騙し取ったのは、教育者にあるまじき所業だった。

一方、この事件を倒閣のチャンスと見て、連日キャンペーンを展開した朝日新聞や、それに悪乗りして安倍攻撃に狂奔した野党議員も、さぞ残念だろう。しかし、土地の格安処分には違法性がなく、安倍首相が絡んでいないことは明らかだったから、常軌を逸する安倍攻撃はしょせん無理筋だった。

ところで、この手記は朝日新聞やNHK、菅野完氏をこっぴどく批判している。彼らが籠池父子を名誉棄損で訴えると茶番劇が一層面白くなるのだが・・・(笑)。

付記

森友学園に売却された土地(8870m2) のすぐ近くの土地(9442m2) が豊中市に公園用地として14億2300万円で売却され、それが森友学園に売却された土地の鑑定基礎になったと思う。公園用地だから、地中にゴミがあっても問題なかったのだろう。ところで、前にも書いたが、当該土地がゴミ捨て場になったのは管理不行き届きで、管理担当者の責任は重大である。しかし、それは問題にされなかった。ヘンな話である。格安売却にはその責任から逃れたいという思惑もあったのではなかろうか。