ゴールデンウィーク中に、東京の渋谷区松濤美術館で牛島憲之展を、根津美術館でコレクション展を見て参りました。
熊本県出身の牛島憲之(1900~1997)はその青年時代の一時期を渋谷区で過ごしました。
今回の展覧会では東京芸大の学生時代の作品から、96才に描かれた絶筆作品まで66点の代表作が展示され、その画家としての一生を回顧できる展覧会となっています。
松濤美術館は、建物も美しく、たたずまいが静かで二階の展示室では中央にソファーが多く置かれ、四方の展示壁に向かいとてもゆっくりと作品を鑑賞できるようになっています。
「至高なる静謐」というサブタイトル通り、牛島作品には、その茫洋とした色彩による独特の世界観が表現されています。 日本の風土のもつ、湿度、趣が近代日本洋画らしくとらえられ大変印象に残る作品群だと感じました。
特に作家の80~90代の作品の画面の密度、作家の集中力は素晴らしく感動しました。96才の絶筆、「道一筋」、このタイトルにさえ驚かされます。
ときどき当店でも牛島作品を扱わせて戴く事がありますが、この展覧会を機にもっと多くの牛島作品に触れていきたいと思いました。
※ 開館30周年記念特別展 牛島憲之 至高なる静謐
5月29日(日)まで 東京都渋谷区立松涛美術館にて