昭和の日にやっと碧南市藤井達吉現代美術館さんに伺うことができました。
お目当てはいつもの麦の家さんのランチと、そして勿論 「生誕150年記念 竹内栖鳳展」の鑑賞です。
平成25年の秋に確か京都市美術館さんで大規模な栖鳳展を拝見しましたので
今回は正直なところ余り期待をして出かけたわけではなかったのですが。。
結局、久しぶりに佳い日本画の展覧会に出会えた!!と感動して帰って参りました。
ご存知の通り栖鳳は絵が上手いのです。それも抜群に、上手いのです。
ですから、展覧会で同じ栖鳳の作品ばかりを続けてみていくと筆の上手さに目が慣れてしまい、感動が薄くなる。
やっぱり上手いなぁ~で終わってしまうことがあります。
年譜によって画業を追うような展覧会ですと猶更そういったことになりがちです。
けれど今回は碧南美術館さんの展示室の窮屈さが功を奏したというか?
それを上手く利用して展示されたのだと思うのですが、
観る側のテンションがどんどん上がっていくように工夫されていました。
作品がイキイキと見えてきました。
個人的には。
今回初めてお目見えした唯一の油絵「スエズ景色」も「絵になる最初」も晩年の水墨画もとてもよかったけれど。。
やはり栖鳳は動物がいいのではないかと今回も感じました。
関雪や華楊など動物を描く名手は沢山いますが、栖鳳の描く魚、鳥、獣の首から背中、お尻から足の線は
本当に無駄がなく豊かです。そして、構図も色彩も、印譜も隙がなく美しい。お見事!です。
「画家は矢張り生来不断に画心を働かすことが慰安であり、愉悦でもある人が本当の名作を造ると思う」
本人の言葉のとおり、きっと栖鳳は動物を見続けることを慰安とし、それを描こうと筆を動かすことを喜びとしたのだろうと
私は美術館の一階の動物画ばかりを展示した小さな部屋で、とくに上の「臥虎」昭和2年を観ながら考えました。
虎年の私。虎の絵には敏感なのです
同じ展示室で絵をご覧になっていらしたご婦人の「なんだか絵から動物が飛び出してきそうで恐いわ~」と
おっしゃられた言葉が今も忘れられません。