いまこのマイセンの作品をギャラリーに飾っています。
可愛いなぁと毎日眺めながら、でもどうしても腑に落ちないことがあり
立ち止まって考えます。
それは、この三人の子供たちのお顔についてです。
下になって 花をとられ、おまけに髪の毛をつかまれている男の子。
悔しそうな、怒っているような。。このお顔については十分共感ができます。
次に泣いている女の子。
喧嘩しあう男の子の間にはいって・・まさかこの女の子を取り合って喧嘩している
訳ではないと思うのですが・・困って泣き出した女の子のお顔。
泣きながらも片目で様子を伺っているところなど
非常によく女の子というものを見ているなぁと感心し、これにも大変共感できます。
さて問題はこの上にまたがった勝利の男の子のお顔です。
この彼の心境はいかなるものなのでしょうか?
もっと、悪びれたり、うれしそうであったりしても良いように思うのですが、
やけに紳士的というか?求道的過ぎないか?と考えてしまうのです。
ちょっと悲しげでもありますね。
花を取り上げ、相手の髪をつかみながら、ちょっと悲しげな子供らしくない子供。
マイセンの工房は人の悲しみの表現を狙ってこのお顔をつくったのでしょうか?
いやいやそこまでは無理だろう。。
ちょっと影になって見えにくいので、この子のお顔だけ手抜きしたのだろうか?
いやいやそれもないだろう。。
くだらないことのようでありながら、私には大切な考察事項であったりします。
良し悪しに関わりなく、私はずっとこのようにしか美術品を見てこなかったのだろうと思います。
今はとにかく、この作品とお別れのときが訪れるまで、真剣に3人のお顔を観察し続けようと思っています。
※納品のため作品画像を削除させていただきました。