日曜日に二人で久しぶりに展覧会に出かけました。
碧南市の河鍋暁斎展です。
この日は車の調子が悪く、名古屋駅からJRと名鉄電車を利用しました。
電車が大好きな私。小さな小さな旅行気分でした。
河鍋暁斎については私も全く知らず、佐橋に是非見ておくようにと誘われました。
いつものように碧南美術館さんの紹介文は大変わかりやすいので、そのままコピーさせて頂きますね。
河鍋暁斎は、天保2(1831)年、下総国古河(現茨城県古河市)に生まれました。数えで2歳の頃に一家で江戸に出て、明治22(1889)年に59歳で没するまで、暁斎は、幕末から明治への激動の時代をこの地で生きました。
わずか7歳で浮世絵師・歌川国芳に入門した暁斎に、個性的で自由な精神の持ち主であった国芳は、絵画の指導だけでなく精神形成上多大な影響を及ぼしました。その後10歳で狩野派の絵師に学び、墨筆から構図のとり方、そして絵具の効果的な使い方に至るまで、絵画の基礎的な技術を確かなものとしていきます。やがて19歳で「洞郁陳之」の画号を授かった暁斎は、この画塾での修行後も、やまと絵や四条円山派の画法から西洋画の解剖図にいたるまで、流派を超えたあらゆる表現を貪欲に会得していったのです。
この展覧会は、河鍋暁斎記念美術館の協力を得て、国芳譲りのユーモアと風刺、そして狩野派で培った卓越した技術で、時代に翻弄されることなく反骨の精神で自由に生きた鬼才、河鍋暁斎の世界を肉筆彩色画、水墨画に錦絵を加え、紹介するものです。強烈な個性で筆を操った暁斎のほとばしる墨筆と色彩から、その魅力をご堪能ください。
しばらくぶりに「上手い!」と何度も言ってしまう画家の作品に出合いました。
上手いだけでは、見ていて段々飽きてくる。。心が涸れてきてしまうものですが、この画家の場合そういったことはありませんでした。
場面の構成力、筆さばきに隙がないのに、画家の情動が過不足なくついてくる。
作品それぞれの場面の画家の立ち位置がいつもはっきりしている。全体を見ている。そんなイメージです。
「眠龍図」 龍の重量感と水に潜んで天を狙っているという龍の浮遊感、顔の表情。 見事です。
「秋冬山水図」
描けない作品はなかったといわれる暁斎作品の特徴は生き生きとした躍動感にある印象で、残された
風景画は少ないようですが、早く的確な筆さばきは圧巻です。
「閻魔と地獄大夫」
佐橋と私が一番長く見せて頂いたのがこの作品だったと思います。
画力。
暁斎はおそらく普通の画家の何倍もの早さで絵を完成させ、何倍もの数の作品を描き切った画家だと思いますが、
絵が描けるということは、どんなに自由で幸福なことなのか?
絵を見て楽しむということはどんなに自由で愛すべきことなのか?
何の言い訳や理由もなく、その作品自体で私達に訴えているように感じました。
後期がちょうど今日からはじまります。
皆様どうぞお出かけください。
幕末と明治を生きた絵師 鬼才 河鍋暁斎 10月2日まで 碧南市藤井達吉現代美術館