つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

徳川美術館 殿さまとやきもの ー尾張徳川家の名品ー

2019年10月15日 | おススメの展覧会、美術館訪問
日曜日には、お客様がお出かけになって「良い展覧会だったよ」とお知らせくださった
徳川美術館さんの    殿さまとやきものー尾張徳川家の名品ー 展に伺いました。

伺う度に徳川家の名品に圧倒されますが、今回もやきものという限定付きながら、
その量と質の高さにあらためて驚きました。

大名家は普通、所有のお道具を「面道具」と「裏道具」の2つに分けて保管するそうです。

徳川家の蔵帳は、「上御数寄御道具」と「御側御道具」という用語を使い、この2種類を分けていたようです。

簡単に言えば、儀式などの公的な場面用➕お客様用、そして家族用の2つに分けるという事です。

展覧会は  1数寄の道具      
             2文房具・調度品などのさまざまな道具   
             3会席の道具 
             4蔵帳類         が紹介され、それぞれに大変見応えがありましたが、

数寄の道具、天目茶碗が並ぶコーナーで佐橋は、
「今まで見てきた天目茶碗の中でもトップクラスに僕の好みのお茶碗を見つけたけれど、
どれだとおもう?」と急に言い出すので、

「うーん、ちょっと待って」と軽くその場を一周し、

「これでしょ!」





と私が指すと、「大当たり!よくわかったね」と褒められました。

「私は手が小さいのでこちらが好みだけれどね。。」





なんと言っても私達はこれでお茶を頂こうと想像しているのでなく、
ご飯を盛って食べることを想像しながらこの会話をしているところが大変不遜でお恥ずかしいのですが、

やきものの展覧会に伺う機会を少しづつ増やしていくと、私達のような初級者でも1つ1つの器の
手触りや重さなどが何となく自然に想像されるようになり、絵画を観る感覚とは随分違う、温かみ、懐の深さを
じわっと感じることができるような気が致します。

コレクターさまがお歳をめして、絵画を全て処分されても、手に馴染む器の1つを大切にお手元に残される
お気持ちも少しわかってきたように感じるのです。

まだまだ絵が欲しい私達ではありますので、あくまで想像の範囲ですが。。これからもやきものに多く接していきたいと
思っています。







時間が少しありましたので、久し振りに徳川園のお庭の散策もさせていただきました。
緑が気持ちよく、よい気分転換になりました。


展覧会は11月10日まで続きます。よろしければ、お出かけくださいませ。






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