つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

斉藤典彦作品 こまやまシリーズ

2024年05月23日 | 斉藤典彦

こまやま  春   



こまやま 夏



こまやま 秋


こまやま 冬




今回の日本画展でショーウィンドウの小窓の上に斉藤典彦さんの作品を飾らせていただくと、作品についてお尋ねくださる方が何人かいらしてくださったので作品をあらためてご紹介させていただこうと思います。

斉藤典彦さんは現在も日本画家、そして東京芸大の日本画の教授としてご活躍でいらっしゃいます。

佐橋が若いころ勤めておりました伏見画廊で、自ら企画した展覧会を開かせていただきました折に、そのお作品を扱わせていただきましたときからのご縁をいただいております。そのお人柄から、当店が22年前に開店を致しました際には先生にご無理をいって「佐橋美術店」のご揮毫をお願い致しました。






今回佐橋の他界をお知らせすると大変驚かれ、また悲しんでくださるお手紙を頂戴いたしました。

私達二人がとても気に入っていて、また皆様にご好評いただいて参りました佐橋美術店のこの看板を降ろすことが辛く、私はいまも店を続けておりますので、この一周忌の時期にしばらく斉藤先生の作品を飾らせていただくことにいたしました。

「こまやま」はお住いの神奈川県平塚市にある里山だとお聞きしています。
高麗山とかいてこまやま、日々のお暮しに見ていらっしゃる風景を形ではなくそのイメージ、想念で制作されたのがこのシリーズだと思います。



一見、見過ごしてしまいやすい作品ですが、よく見ていると色々な色が何層にも重なり大変美しく幻想的です。

当時制作をお願いいたしましたのが4号の小品ですので、斉藤先生にご苦労をおかけしてしまったと思いますが、足早に通り過ぎていってしまうものを惜しむ私たちの世代にゆっくりと寄り添ってくれる日本画らしい作品だと思っています。





斉藤典彦 こまやま 春 夏 秋 冬 冬の薔薇
2013年制作 絹本 4号 共シール  ◇



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山野草

2024年05月23日 | 佐橋美術店の展示・展覧会
先週はお客様から自宅や店にお花をお届けいただきました。一年も経つのに。。と家族一同思いがけず、大変嬉しく拝受いたしました。

山野草の鉢植えは大阪にお住いのお客様がお送りくださいました。なんとも可憐で素敵な山野草の寄せ植。ただ少し時間がありませんでしたので、それぞれの山野草について詳しく拝見していませんでした。

本日やっと準備も整い、改めて鉢を見てみますと、それぞれの草花に小さな立札があり、名前を紹介してくれていました。




この背の高い小さな白い花は、撫子の仲間だろうとさらっと見ていましたが、先ほど確認してみるとなんと!「センジュガンピ」と書いてありました。

このお客様は、コレクターさんの域を超えてもう学者さんばりに小林古径のことをよくご研究されていらっしゃる方です。勿論、ほかの日本画家についても大変お詳しく、私は今まで色々お教えいただいて参りました。

現在は闘病中でいらして、その影響で眼もご不自由になられていらっしゃいますので残念ながら展覧会など御覧いただけませんが、今回私がご案内をお送りするとお電話をくださり、ときどきお嬢様を介し御覧くださるブログについてのご感想もお寄せくださいました。




センジュガンピは勿論、あの岩ピの仲間で花弁が千手観音の手ににていることからこの名前が付いたとありました。花言葉は「変わらぬ愛」。



お客様は、佐橋が大好きであったこの古径作品といまの当店の「仏と花たち」についての展覧会、また私の心をお察しくださり、この鉢植えをお探しくださったのだと先ほどになって気づきました。

この鉢植えをお送りくださることをお電話では何もおっしゃっていらっしゃいませんでした。ですから、勿論この山野草のお話もお聞きしていません。

相手に気づかれなくても、心を込めて。

きっとそういうお気持ちでお贈りくださったのだと思います。

そして、そのお心づかいにふと気づいたとき、自分で気づけたとき、人は深い感動を覚えるものです。


さきほどまで「朝は偉そうにブログに書いてしまったけれど、どなたも展覧会にいらっしゃらなかったらどうしよう💦」とビクビク過ごしていた気持ちがすぅーと落ち着きました。
お客様のお気持ちのこもったお花を眺めながら展覧会の日々を過ごせるのは大変幸せなこと。過去も未来もなく、いまこの作品達に囲まれてこの店に居られる幸せを満喫しなければと思えました。

自宅にお送りいただいたお花も、少しですが新聞紙に包んで一緒にバスに乗って店に運ばせていただきました。

どうぞ、みなさま、当店の「生きているお花たち」も一緒にお楽しみください。








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