つぎつぎに作品をご紹介しなくては。。
今日の名古屋はなんと、雨!
佐橋美術店の展覧会の初日はおそらく90%近い確率で「雨」です。
それでも晴天より雨、しかも小雨のほうが、山口薫展にはお似合いのように感じます。
雨のせいばかりではないとおもいますが、今日のご来店のお客様は極めて少なく、おもいがけず私はのんびり過ごさせていただいています。
初日を迎えるまでのほうがご来客が多く、忙しかったので骨休めには最適です。
さて、つぎつぎに作品をご紹介しなくてはとりあえずの会期終了に間に合わないかもしれないと焦りだしましたので、まず「マリモ」をご覧いただこうと思います。
この作品は随分前になりますが、一度当店でも扱わせていただいた作品です。
6F 「浮き上るマリモ」
鑑定書にはそのように書いてありますが、キャンバス内には薫の文字で
「浮き出すマリモ」と書かれています。
マリモが浮き上がる姿を想像すると、とても可愛らしいイメージとなりますが、藻であるマリモが浮き上がるのはそれなりの理由、どちらかというとピンチに近い状態にあってそうなるようですので、迂闊に「カワイイ!!作品」だと喜んでばかりもいられないのかと今回考え直しました。
が、やはりこの作品も山口薫だけしか描けない作品だと思うのですね。
同じ球体ではあっても、いちごは動いていない。
マリモは確かに動いている。いくつかのマリモが今にもふっと浮き出しそうです。
もうそう感じるだけで、なんとも楽しい、嬉しい気持ちになるものですね。
ごく馬鹿のような顔をして私は街を歩く
心の楽しいとき
この詩のような、そんな姿をマリモが表してくれているような気さえいたします。
と書いていましたら、お客様が次々にいらしてくださいました。
ありがとうございます。
また明日の日曜日も営業させていただきます。
6F 「浮き上るマリモ」 1966年 東美鑑 画集掲載
第5回彩彩会油絵展出品作(日本橋高島屋) ⨝