つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

小さな小さなお客様

2021年06月18日 | 日記・エッセイ・コラム
昨日は、時おり強い風が吹いたり、強い雨が降ったりの不安定な1日でした。

当店に、小さなお客様がみえました。

沢山飾ってある、豪華な、高価な、美しい絵には目もくれず、窓の外の風になびく木の葉や草花、







そして、明るく光るスポットや照明器具を一生懸命見てくれていました。





人は生まれた時から、何が1番美しいか?もうとっくにわかっているようです。

この心を取り戻そうと、画家は人生を捧げ、画商もコレクターさんもはその価値付けに躍起です。

昨日は、風が吹いた。
昨日は大雨が降った。

日記にもブログにもそれだけで良いように感じられる週末です。

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ネズミに思う。タイトルからお察しいただき、苦手な方はお読みにならないでください。

2021年06月15日 | 日記・エッセイ・コラム
今日はとても暑い1日になりました。
このところの名古屋の天気は東京とはずいぶん違うようで、関東にお住まいの方のブログなどを拝見すると「え?今日寒い?」となったりいたします。

ブログを書かせていただくことは、私にとって営業活動といえば営業活動なのですが、他の方々のように毎日記事を書いたり、まして芸能人の方達のように何時間かおきに、一日何度もブログを更新したりすることは全くできず、こちらにお立ち寄りくださる皆さまに「あら?佐橋さん、まだ更新していない?」とちょっとご心配をいただくことの方が多いように思います。

先週はなんとわが自宅、荒屋にどうやらネズミさんが遊びに来てくれたようで、しばらくどうしたものか??と考えているうちにあっという間に1週間が経ってしまいました。ネズミのことを考えていると、芸術作品のことや、申し訳なくもお客様のことからも心が飛んでしまうのですね💦なんとも情けないことです。



まず、薬局に行ってみると、案外ネズミ対策というのは昔と変わらないのだとびっくりしました。

明治、大正生まれの、私たちのおじいちゃん、おばあちゃんは、グロテスクにネズミを捕まえていたなぁと思い出しながら、、私たちは、できるだけそのお姿を見ずに、家族を連れてきたり、家族を我が家で増やしてくれることなく退散いただきたいと願い、まず薬局に売っていた、「まっピンク!!」の餌を家中に配置することに致しました。

それを置いてからは、今のところ派手な活動、といっても多分まだ1匹の時々の侵入で済んでいると思うのですが、兎に角ネズミさんは静かです。


今時ネズミに入られるお家もないだろう、というかまだネズミっているの?というお話ですが、我が家は過去にも何度かご一行をお迎えしたことがあり、またカァ〜という感じです。


さて、週初めになぜネズミさんのお話をしたかというと、、私たちが今気に入ってみている近代絵画の描かれた時代について少し思うところがあったのですね。

先程もお伝えしましたように、私の祖父は、ネズミを餌で誘き寄せ、捕まえた鼠取りの籠ごと、大きな水桶に突っ込んでネズミの息の根を止めていました。捕まったネズミのなんとも切ない声を私は今も思い出します。でも、その時は、「おじいちゃん、そんな残酷なことはやめて!」などと言えませんでした。というか、言おうとも思っていなかったように思います。当たり前の光景??



お向かいのおうちはまだ藁葺き屋根の家で、鶏を飼っていて(私は一応東京生まれです)毎日卵をとり、時々鶏を殺して大きなドラム缶に湯をたぎらせ、鶏の羽をもいでいました。鶏肉はいただけませんでしたが、私はそれを時々見学に行きました。怖いとか、残酷だとかそういう印象は残っていません。


世代により子供時代の記憶はさまざまでいらっしゃるでしょうけれど、案外こうした光景を日常に見ていた方達は、60代以上の方に多くいらっしゃるのではないでしょうか?









そういった光景が目に残っていらっしゃる世代とそうでないお若い世代に、ご覧になる同じ作品が、違った印象を与えるのは当たり前であるように思います。

簡単にいうと養われてきた死生観が違うのですね。


もし、私どもの扱っているこの近代日本絵画が、40代以前のお若い方達の支持を集めることがするとすれば、それはきっと私が感じる作品のイメージでなく、新しい「トレンド」「レトロ」という言葉にのって〜ということになるような気がいたします。


このコロナ感染問題下に、郊外にお住まいを移された、またこれから移される予定だという方が案外多くいらっしゃるとお聞きします。ワクチンのことやオリンピックの騒動を思うと、コロナ後の私たちは「あまり変わらないのだろうか?」と思えたりいたしますが、都会を離れ、それこそ、蚊に刺されたり、ムカデが落ちてきたり、ネズミに出くわしたりという生活をお選びになる方達は、これからどんなことをお感じになり、どんな美術品と暮らして行かれるのか?その時に選ばれるのは、お子さんの描いた画用紙の作品だろうか?おじいちゃんが趣味で描かれた油絵だろうか?草間彌生だろうか?鳥海青児だろうか?と少しこの先を楽しみにする気持ちが芽生え始めました。

名古屋という都会にいて、ネズミに悩まされる稀有な私たちは、転んでもタダで起きず😅😅また平穏な気持ちで近代絵画を眺められるような日々を夢見ています。



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