日本海から太平洋へ、歩いてつなげる歩く旅のコースをつくろうと、「やまさん」こと
山浦正昭さんが始めた「国際ウオーキングトレイル実踏計画」は、2003年に新潟県の
鳥首岬をスタートして9年目になる。
今回は、伊豆半島の中央部、修善寺(しゅぜんじ)から湯ヶ野までの2日間の行程を、
やまさんほか3人で歩いた。
==2011年11月9日(水)==
伊豆箱根鉄道駿豆線の終点、修善寺駅を12時02分にスタートした。狩野川(かのが
わ)の支流、大見川の橋を渡り、狩野川沿いに山すそを南下する県道349号に入った。
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西にそびえる城山(248m)の紅葉は、もう少し先になりそう。
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橋から1㎞足らずに、「日本山妙法寺」の標石が立つていたが、建物は無く、日蓮宗系
に似た文字の碑と、狛犬代わりにライオンのような像が並んでいた。
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日向集落の南にある春日神社は、やまさんが少年達と伊豆半島の徒歩旅をした「千里道
場」の際に、大雨にあって休んだところとか。境内には大杉が並んでいる。
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新しい田方南消防署前を通過し、狩野川を挟んで西側の山並みを眺めながら進む。足下
のマンホールのふたは、川端康成の「伊豆の踊子」にちなむデザイン。
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振り返る谷間はるかに見える山波は、葛城(かつらぎ)山(452m)だろうか…。
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北村集落の妙法寺で休憩する。寺には伊豆市文化財の、日蓮聖人が弘安5年(1282)
に授与された真筆があるとか。境内に日蓮聖人像が立っていた。
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寺野集落を抜け、少し離れていた狩野川の流れが迫ると、対岸に独特な姿の狩野ドーム
が近づく。
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県道は緩やかな上り下りをして、舞台集落から皆沢集落へ。地図に無い神社が見下ろせ、
そばの茶畑で、茶葉のせん定作業をしていた。
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田沢橋を渡って間もなく、回ってはいなかったが、まだ使われていそうな水車小屋が残
っていた。
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すぐ先の神社に隣接した嶺松院は、伊豆国八十八ヶ所第1番札所。
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延暦年間(782~805)、弘法大師が諸国遊行の途中、草堂を建立して薬師三仏、
十二神将仏を奉安し、里人達の苦しみを救ったと伝えられているという。そう広くは無い
が、趣ある庭である。
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再び狩野川が近づき、上流を眺めると天城の山並みが望まれる。
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「トナカイ」の標柱の立つ貸別荘風ログハウスがあるが、あまり利用されているように
は見えない。
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その先に、雰囲気の良さそうな「民宿わらじ」があったので立ち寄り、Uさんご夫妻に
お話を伺う。
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開設して18年になり、奥様手作りの料理でもてなし、リピーター客が多いという。
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庭には、料理に出すらしいシイタケが干してあり、入口付近のヒカンザクラが花開く。
帰宅後、この宿のウェブページをのぞいて見たら、魅力的な情報が多かった。
市山の家並みにあった明徳寺に上がる。境内には禅寺風の本堂や、社殿風の「うずさま
明王堂」、鐘楼、青銅の天城慈母観音像などがある。
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明王堂の奥に回ると、男女の持ち物に似た木根や石などが幾つも、きらびやかに祭られ、
子宝やしもの病に悩む人々の信仰の場のよう。境内のスピーカーからそれらについての放
送が流れていた。常緑広葉樹の古木に覆われた山門前の石段を下って、寺を去る。
狩野川左岸から回ってきた国道414号に入ると、湯ヶ島温泉は近い。狩野川で採れた
アユを一夜干ししている、「ひなと丸」と呼ぶ店があった。
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簀子(すのこ)橋の先にあったセブンイレブンで、明日の昼食などを仕入れる。
少し先で、国道の左に入る旧道へ。入口に「しろばんばの里」の案内板が立ち、この地
出身の作家、井上靖の作品「しろばんば」ゆかりの地が示されていた。
旧道沿いの井上靖旧宅跡は小公園になっていて、自筆を刻んだ「しろばんばの文学碑」
がある。
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売地になっている旧天城営林署敷地横を通過し、弘道寺に寄る。
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米国総領事タウンゼント・ハリス一行が、日米通商条約締結を目指して江戸へ上がる途
中、安政4年(1857)10月4日にこの寺に宿泊したという。
寺の前には、ハリス著「日本滞在記」(岩波文庫)の一部を記した石碑があり、この近
くで富士山を初めて見て感激したことが記されていた。
すぐ先、天城神社の鳥居の近くには、ご神木になっていうるシイの木の巨樹があり、こ
んもりとした枝を広げている。
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湯ヶ島温泉口バス停のところで国道を横切る。狩野川右岸沿いに入り、昔、共同湯に通
う道だったという「湯道」と呼ぶ川沿いの遊歩道へ。16時を過ぎて曇り空ということも
あり、常緑樹に覆われた道は薄暗くなってきた。
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紅葉し始めた猫越(ねっこ)川の渓谷や、河岸に並ぶ温泉旅館を眺めながら進む。瀬古
橋を渡って右岸上流の、もと国民宿舎だった木太刀荘(きだちそう)に、16時30分に
着いた。
【コースタイム】修善寺駅12・02ー春日神社12・37~40ー妙本寺13・10~21ー舞台三差路
13・58ー嶺松院14・16~32ー民宿わらじ14・42~52ー明徳寺15・03~20ー簀子橋際セブ
ンイレブン15・37~45ー弘道寺15・59~16・03ー木太刀荘16・30
(天気 晴後曇、距離 13㎞、地図(1/2.5万) 修善寺、湯ヶ島、歩行地 伊豆
市、歩数 22,100、累積標高差 約600m)
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山浦正昭さんが始めた「国際ウオーキングトレイル実踏計画」は、2003年に新潟県の
鳥首岬をスタートして9年目になる。
今回は、伊豆半島の中央部、修善寺(しゅぜんじ)から湯ヶ野までの2日間の行程を、
やまさんほか3人で歩いた。
==2011年11月9日(水)==
伊豆箱根鉄道駿豆線の終点、修善寺駅を12時02分にスタートした。狩野川(かのが
わ)の支流、大見川の橋を渡り、狩野川沿いに山すそを南下する県道349号に入った。
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西にそびえる城山(248m)の紅葉は、もう少し先になりそう。
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橋から1㎞足らずに、「日本山妙法寺」の標石が立つていたが、建物は無く、日蓮宗系
に似た文字の碑と、狛犬代わりにライオンのような像が並んでいた。
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日向集落の南にある春日神社は、やまさんが少年達と伊豆半島の徒歩旅をした「千里道
場」の際に、大雨にあって休んだところとか。境内には大杉が並んでいる。
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新しい田方南消防署前を通過し、狩野川を挟んで西側の山並みを眺めながら進む。足下
のマンホールのふたは、川端康成の「伊豆の踊子」にちなむデザイン。
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振り返る谷間はるかに見える山波は、葛城(かつらぎ)山(452m)だろうか…。
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北村集落の妙法寺で休憩する。寺には伊豆市文化財の、日蓮聖人が弘安5年(1282)
に授与された真筆があるとか。境内に日蓮聖人像が立っていた。
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寺野集落を抜け、少し離れていた狩野川の流れが迫ると、対岸に独特な姿の狩野ドーム
が近づく。
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県道は緩やかな上り下りをして、舞台集落から皆沢集落へ。地図に無い神社が見下ろせ、
そばの茶畑で、茶葉のせん定作業をしていた。
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田沢橋を渡って間もなく、回ってはいなかったが、まだ使われていそうな水車小屋が残
っていた。
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すぐ先の神社に隣接した嶺松院は、伊豆国八十八ヶ所第1番札所。
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延暦年間(782~805)、弘法大師が諸国遊行の途中、草堂を建立して薬師三仏、
十二神将仏を奉安し、里人達の苦しみを救ったと伝えられているという。そう広くは無い
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再び狩野川が近づき、上流を眺めると天城の山並みが望まれる。
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「トナカイ」の標柱の立つ貸別荘風ログハウスがあるが、あまり利用されているように
は見えない。
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その先に、雰囲気の良さそうな「民宿わらじ」があったので立ち寄り、Uさんご夫妻に
お話を伺う。
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庭には、料理に出すらしいシイタケが干してあり、入口付近のヒカンザクラが花開く。
帰宅後、この宿のウェブページをのぞいて見たら、魅力的な情報が多かった。
市山の家並みにあった明徳寺に上がる。境内には禅寺風の本堂や、社殿風の「うずさま
明王堂」、鐘楼、青銅の天城慈母観音像などがある。
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明王堂の奥に回ると、男女の持ち物に似た木根や石などが幾つも、きらびやかに祭られ、
子宝やしもの病に悩む人々の信仰の場のよう。境内のスピーカーからそれらについての放
送が流れていた。常緑広葉樹の古木に覆われた山門前の石段を下って、寺を去る。
狩野川左岸から回ってきた国道414号に入ると、湯ヶ島温泉は近い。狩野川で採れた
アユを一夜干ししている、「ひなと丸」と呼ぶ店があった。
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簀子(すのこ)橋の先にあったセブンイレブンで、明日の昼食などを仕入れる。
少し先で、国道の左に入る旧道へ。入口に「しろばんばの里」の案内板が立ち、この地
出身の作家、井上靖の作品「しろばんば」ゆかりの地が示されていた。
旧道沿いの井上靖旧宅跡は小公園になっていて、自筆を刻んだ「しろばんばの文学碑」
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売地になっている旧天城営林署敷地横を通過し、弘道寺に寄る。
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中、安政4年(1857)10月4日にこの寺に宿泊したという。
寺の前には、ハリス著「日本滞在記」(岩波文庫)の一部を記した石碑があり、この近
くで富士山を初めて見て感激したことが記されていた。
すぐ先、天城神社の鳥居の近くには、ご神木になっていうるシイの木の巨樹があり、こ
んもりとした枝を広げている。
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湯ヶ島温泉口バス停のところで国道を横切る。狩野川右岸沿いに入り、昔、共同湯に通
う道だったという「湯道」と呼ぶ川沿いの遊歩道へ。16時を過ぎて曇り空ということも
あり、常緑樹に覆われた道は薄暗くなってきた。
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紅葉し始めた猫越(ねっこ)川の渓谷や、河岸に並ぶ温泉旅館を眺めながら進む。瀬古
橋を渡って右岸上流の、もと国民宿舎だった木太刀荘(きだちそう)に、16時30分に
着いた。
【コースタイム】修善寺駅12・02ー春日神社12・37~40ー妙本寺13・10~21ー舞台三差路
13・58ー嶺松院14・16~32ー民宿わらじ14・42~52ー明徳寺15・03~20ー簀子橋際セブ
ンイレブン15・37~45ー弘道寺15・59~16・03ー木太刀荘16・30
(天気 晴後曇、距離 13㎞、地図(1/2.5万) 修善寺、湯ヶ島、歩行地 伊豆
市、歩数 22,100、累積標高差 約600m)
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