題西林壁 西林(せいりん)の壁(へき)に題す
横看成嶺側成峰 横に看(み)れば嶺(れい)と成り側(かたわら)には峰(ほう)と成る
遠近高低各不同 遠近高低各(おの)おの同じからず
不識廬山真面目 廬山(ろざん)の真面目(しんめんもく)を識(し)らざるは
只縁身在此山中 只(ただ)身(み)の此の山中に在るに縁(よ)る
現代語訳:
正面から見れば山道通う峠、側面に回れば切り立つ峰
見る位置の遠近高低によってそれぞれ違った姿となる
廬山の真の姿がわからないのは
自分が山中にいるからなのだ
NHK文化セミナー
『漢詩を読む 蘇東坡』(1990、石川忠久)から引用
「漢詩を読む」愉しみは、そのリズム感、歯切れの良さ、旋律にあるように思われる。散歩をしながら、詩の内容、情況を想像しつヽ口ずさむと心も晴れる。蘇東坡は最も好きな詩人の一人です。(150412)