§ からだの「初期化」って?
からだの「初期化」についての第1回目(2015-03-27)の項で、次のように述べました。
『なんら難しいことを論ずる意図はありません。何だか疲れが残っているかな?、けったるい感じがするなあ、からだが重い、頭がボーッとしている….等々の自覚症状が、すっきり無くなり、からだの隅々まで改まった感じとなること、すなはち、次の活動へスムースに入っていける状態となること、これを仰々しく「初期化」と一言で表現したいのです。』
今日でもその定義は生きています。非科学的な表現ではあるが、最も的確であるように思われる。自ら体験して、“感じて”もらう以外、十分な説得力ある説明はなさそうです。
§ 「アローン操体法」の誕生
20数年前、不用意な運動で腰を痛め、不健康な状態を経験した。
司馬遼太郎の幕末歴史世界で大活躍する坂本龍馬(司馬世界では‘竜馬’)の、代表的な立位写真を想像して頂きたい。龍馬は、左腰に傷害があったのか、上半身が右前に傾いています。筆者は真逆で、右腰後方に傷害を得て、上半身が左前に傾いた姿勢でした。
立位で背筋を伸ばす、または上半身を右にひねるなどの姿勢変化で、ひどい痛みを起こす。通勤電車で、吊革にぶら下がっていながら、姿勢を直にしようとして、激痛を覚え、失神の一歩手前で、しばらく座り込んだ経験もある。ましてや右側への側屈は不可能であった。さらに右脚の上・下腿の皮膚に軽い鈍麻感を覚えた。
2,3年は整形外科で治療を受けた。以後、美容上また運動性向上の観点から、積極的に自ら訓練することにし、からだを動かすことを毎日の日課とした。先ず、痛みに堪えつつ、ゆっくりと“背伸び”から始めた。体調を見ながら、屈伸など姿勢を変える運動項目を増やし、訓練時間も長くしていった。
大通りに面したビルの大型ウインドウに映った自分の立ち姿が、一見、正しい直立姿勢に見えるようになったのは、訓練を始めて8年前後過ぎた頃であった。やっと美容上の難点を克服できたのでした。右脚皮膚の鈍麻感がなくなるのはもっと後のことであった。
上半身の右側への側屈やひねりは、可動範囲がかなり改善されたとは言え、やはり激痛を覚えた。ほとんど違和感なく、上半身の側屈、ひねりおよび回旋ができるようになるには、さらに10年前後の訓練期間を要した。
姿勢を正す訓練として、“背伸び”から始めて、徐々に運動項目を増やしていき、それらを整理して出来上がったのが、「アローン操体法」です。『何ら道具を用いることなく、どこでも、いつでも一人(アローン:alone)で実施できること、さらに自ら“身体をあやつる”要素が多い運動法である』との意味を込めて“操体法”とした。
単なる机上のプランとして出来たのではありません。強調したいのは、腰の痛みに耐えながら、痛みを減らし、姿勢を整えられるよう願いつつ、日々の実践を通して、工夫の末に出来上がった運動法であることです。
“背伸び”から始まる、20年を超す訓練を通して、痛みを消し、姿勢を正すことに成功した経験から、“背伸び”の動作に非常な‘こだわり’を感ずるようになった。“余話”の項で、“背伸び”について、特に多く記しましたが、その真意をくみ取って頂けることを願う次第です。なお、事項に述べる実践教室では、最後に“背伸び”をして健康運動の時間を閉じることにしています。
§ 「アローン操体法」の実践
地域活動の一つとして、「アローン操体クラブ」と称する「アローン操体法」を実践する健康体操教室(毎週1回、1時間)を実施している。『からだの「初期化」』を実感して欲しいとの願いを込めつつ進めています。幸い、14年経過して盛況を維持しています(我田引水)。
教室での実践を通して経験を重ね、新しい項目の追加やより良い操体法の工夫などを含めて、完成した形が『からだの初期化を試みよう』として、本ブログで2015.06.04から書き起こした“実際”編です。
「アローン操体法」の実践を日課としている経験から、“からだの初期化”を最もよく実感できる場面は次の様である。
激しい運動、あるいは家事やその他の年末大掃除のような不慣れな重労働(?)を行った後、特に翌日以降、足や身体が重たい、体の節々・筋肉の痛み、何をするにも気が乗らない、…等々。誰しも歳とともに、強い疲労感を感じ、回復が遅くなるという経験がある筈です。
激しい運動・重労働の翌日、仕事を始める前に「アローン操体法」を実践する。‘硬い’からだが‘軽く’感じられて、スムースに仕事に取り掛かれるようになる。まさに「初期化」の感覚が実感できます。疲労感からの回復も促進されます。
また、終日、PCと睨めっこする、あるいは、書き物に没頭するなどのデスクワークで暮れたその日。夕方以降に、やはり足や身体が重たい、けったるい気分、肩が凝っている感じ、…等々。
終日没頭したデスクワークの終わりに「アローン操体法」または静的ストレッチング(「アローン操体法」第一部)を実践する。できることなら仕事の途中、休憩時間を設けることをお勧めしますが、その際に軽く静的ストレッチングを実践する。やはり「初期化」の感覚が実感できるでしょう。
「アローン操体法」を実践することにより、他の体操法と異なり、「からだの初期化」を実感できるのは何故か?
要点を挙げると、次の2点が挙げられるでしょうか:
☆1 手の指先から足のゆび先まで、身体の動きに関わるほとんどの筋群に対して、比較的選択的に静的・動的ストレッチングを課するよう工夫してある、
☆2 筋力、持久力、瞬発力および柔軟性の向上、さらに平衡感覚を養うなどバランスの取れた構成になっている。
下図は、☆2に関して「アローン操体法」(赤線)と「ラジオ体操第1(青線)」の相違を的確に示すレーダー図です。詳細は投稿済(2015.06.11)ブログご参照頂きたい。
要は、実践することに尽きます。「アローン操体法」の実践が、日常生活リズムの一部となることを願って‘あとがき‘とします。
”Exersise must be a way of life.” (運動が生活リズムの一部となるように)
(Rene Callier)
からだの「初期化」についての第1回目(2015-03-27)の項で、次のように述べました。
『なんら難しいことを論ずる意図はありません。何だか疲れが残っているかな?、けったるい感じがするなあ、からだが重い、頭がボーッとしている….等々の自覚症状が、すっきり無くなり、からだの隅々まで改まった感じとなること、すなはち、次の活動へスムースに入っていける状態となること、これを仰々しく「初期化」と一言で表現したいのです。』
今日でもその定義は生きています。非科学的な表現ではあるが、最も的確であるように思われる。自ら体験して、“感じて”もらう以外、十分な説得力ある説明はなさそうです。
§ 「アローン操体法」の誕生
20数年前、不用意な運動で腰を痛め、不健康な状態を経験した。
司馬遼太郎の幕末歴史世界で大活躍する坂本龍馬(司馬世界では‘竜馬’)の、代表的な立位写真を想像して頂きたい。龍馬は、左腰に傷害があったのか、上半身が右前に傾いています。筆者は真逆で、右腰後方に傷害を得て、上半身が左前に傾いた姿勢でした。
立位で背筋を伸ばす、または上半身を右にひねるなどの姿勢変化で、ひどい痛みを起こす。通勤電車で、吊革にぶら下がっていながら、姿勢を直にしようとして、激痛を覚え、失神の一歩手前で、しばらく座り込んだ経験もある。ましてや右側への側屈は不可能であった。さらに右脚の上・下腿の皮膚に軽い鈍麻感を覚えた。
2,3年は整形外科で治療を受けた。以後、美容上また運動性向上の観点から、積極的に自ら訓練することにし、からだを動かすことを毎日の日課とした。先ず、痛みに堪えつつ、ゆっくりと“背伸び”から始めた。体調を見ながら、屈伸など姿勢を変える運動項目を増やし、訓練時間も長くしていった。
大通りに面したビルの大型ウインドウに映った自分の立ち姿が、一見、正しい直立姿勢に見えるようになったのは、訓練を始めて8年前後過ぎた頃であった。やっと美容上の難点を克服できたのでした。右脚皮膚の鈍麻感がなくなるのはもっと後のことであった。
上半身の右側への側屈やひねりは、可動範囲がかなり改善されたとは言え、やはり激痛を覚えた。ほとんど違和感なく、上半身の側屈、ひねりおよび回旋ができるようになるには、さらに10年前後の訓練期間を要した。
姿勢を正す訓練として、“背伸び”から始めて、徐々に運動項目を増やしていき、それらを整理して出来上がったのが、「アローン操体法」です。『何ら道具を用いることなく、どこでも、いつでも一人(アローン:alone)で実施できること、さらに自ら“身体をあやつる”要素が多い運動法である』との意味を込めて“操体法”とした。
単なる机上のプランとして出来たのではありません。強調したいのは、腰の痛みに耐えながら、痛みを減らし、姿勢を整えられるよう願いつつ、日々の実践を通して、工夫の末に出来上がった運動法であることです。
“背伸び”から始まる、20年を超す訓練を通して、痛みを消し、姿勢を正すことに成功した経験から、“背伸び”の動作に非常な‘こだわり’を感ずるようになった。“余話”の項で、“背伸び”について、特に多く記しましたが、その真意をくみ取って頂けることを願う次第です。なお、事項に述べる実践教室では、最後に“背伸び”をして健康運動の時間を閉じることにしています。
§ 「アローン操体法」の実践
地域活動の一つとして、「アローン操体クラブ」と称する「アローン操体法」を実践する健康体操教室(毎週1回、1時間)を実施している。『からだの「初期化」』を実感して欲しいとの願いを込めつつ進めています。幸い、14年経過して盛況を維持しています(我田引水)。
教室での実践を通して経験を重ね、新しい項目の追加やより良い操体法の工夫などを含めて、完成した形が『からだの初期化を試みよう』として、本ブログで2015.06.04から書き起こした“実際”編です。
「アローン操体法」の実践を日課としている経験から、“からだの初期化”を最もよく実感できる場面は次の様である。
激しい運動、あるいは家事やその他の年末大掃除のような不慣れな重労働(?)を行った後、特に翌日以降、足や身体が重たい、体の節々・筋肉の痛み、何をするにも気が乗らない、…等々。誰しも歳とともに、強い疲労感を感じ、回復が遅くなるという経験がある筈です。
激しい運動・重労働の翌日、仕事を始める前に「アローン操体法」を実践する。‘硬い’からだが‘軽く’感じられて、スムースに仕事に取り掛かれるようになる。まさに「初期化」の感覚が実感できます。疲労感からの回復も促進されます。
また、終日、PCと睨めっこする、あるいは、書き物に没頭するなどのデスクワークで暮れたその日。夕方以降に、やはり足や身体が重たい、けったるい気分、肩が凝っている感じ、…等々。
終日没頭したデスクワークの終わりに「アローン操体法」または静的ストレッチング(「アローン操体法」第一部)を実践する。できることなら仕事の途中、休憩時間を設けることをお勧めしますが、その際に軽く静的ストレッチングを実践する。やはり「初期化」の感覚が実感できるでしょう。
「アローン操体法」を実践することにより、他の体操法と異なり、「からだの初期化」を実感できるのは何故か?
要点を挙げると、次の2点が挙げられるでしょうか:
☆1 手の指先から足のゆび先まで、身体の動きに関わるほとんどの筋群に対して、比較的選択的に静的・動的ストレッチングを課するよう工夫してある、
☆2 筋力、持久力、瞬発力および柔軟性の向上、さらに平衡感覚を養うなどバランスの取れた構成になっている。
下図は、☆2に関して「アローン操体法」(赤線)と「ラジオ体操第1(青線)」の相違を的確に示すレーダー図です。詳細は投稿済(2015.06.11)ブログご参照頂きたい。
要は、実践することに尽きます。「アローン操体法」の実践が、日常生活リズムの一部となることを願って‘あとがき‘とします。
”Exersise must be a way of life.” (運動が生活リズムの一部となるように)
(Rene Callier)