ジェイムズ・スウェイン著、『カジノを罠にかけろ』、読了。
本書を知ったのは『このミス2006年版』からなんですが、その海外編のランキング17位に目をつけるのがいかにも自分らしいというか。笑。
といってもハードカバーを回避し、あまり陰鬱そうな内容のものを敬遠すると本書に行きつくんですけどね。
《ストーリー》ラスベガスのカジノ『アクロポリス』でブラックジャックで不審な大勝ちを続ける男がいた。男のイカサマの手口を見破れない店側は“あらゆるイカサマを見抜くといわれる”ヴァレンタインに救いの手を求めるが・・・。
果たして男はどのようなイカサマを仕掛けているのか、そして男の真の狙いはどこにあるのか?
読みやすかったです。
読みやすいというのは何もひらがなが多いということでもなければ、文章が平易だったというわけでもなく、文章の持つリズムが自分には合ってたというか、つまりは翻訳がイケてたってことだとも思うんですが、案外そういう小説って少ないんですよね。
最近読んだ作品の中では『驚異の百科事典男』もそうだったかな。
さて肝心の内容についての感想ですが、これを純然たるミステリーとして捉えると正直物足りないものがあります。
破綻しているとまではいかなくても、首をひねらざるをえない箇所もままあるし。
ただ、キャラクター小説として読むと結構面白かったです。
登場人物が一癖も二癖もあって、中でもカジノのオーナーであるニックのキャラクターは秀逸でした。
とぼけた彼の言動にはかなり笑わせてもらいました。
読後感も悪くなかったし、シリーズ続編が出版されたら買おうとも思ってますが、読み終わって何かが残るというようなお話でもなかったので他人にはあまり薦めないですね。
ついでにジェフリー・ディーヴァー著、『クリスマス・プレゼント』についても一言。
ディーヴァーといえば何といっても映画化もされたリンカーン・ライムシリーズが有名ですが、そんな彼の初の短編集が本書です。
さて感想ですが、、、こっちはどうも読みにくかったなぁ。
まぁリンカーン・ライムシリーズを担当している訳者が主に翻訳しているので下手なはずはないんですが、文章のリズムが合わなかったです。
作品の出来そのものもカバーに“どんでん返し十六連発”と書いてある割には読み終わって「えぇ!!」って驚くようなものはなかったし。
正直これなら自分が書いた短編の方がマシだと思いました。(ベストセラー作家の作品に何言ってんだ、と思われるでしょうけれど。)
ストーカーもののお話が多かったのも閉口しました。十六作中半分ぐらいにストーカーが出てくるので、またかよ!って感じでした。
お世辞にもバラエティに富んでいる短編集とはいえないと思います。
ただ、表題作であり、リンカーン・ライムシリーズ初の短編物でもある『クリスマス・プレゼント』はなかなかの完成度に感心しましたけれど。(とはいってもやっぱりストーカーが出てくるんですけどね。笑。)
あとディーヴァーが前書きで述べてあった、短編、そして長編小説への作家としての考え、心得みたいなものは個人的に参考になりました。
本書を知ったのは『このミス2006年版』からなんですが、その海外編のランキング17位に目をつけるのがいかにも自分らしいというか。笑。
といってもハードカバーを回避し、あまり陰鬱そうな内容のものを敬遠すると本書に行きつくんですけどね。
《ストーリー》ラスベガスのカジノ『アクロポリス』でブラックジャックで不審な大勝ちを続ける男がいた。男のイカサマの手口を見破れない店側は“あらゆるイカサマを見抜くといわれる”ヴァレンタインに救いの手を求めるが・・・。
果たして男はどのようなイカサマを仕掛けているのか、そして男の真の狙いはどこにあるのか?
読みやすかったです。
読みやすいというのは何もひらがなが多いということでもなければ、文章が平易だったというわけでもなく、文章の持つリズムが自分には合ってたというか、つまりは翻訳がイケてたってことだとも思うんですが、案外そういう小説って少ないんですよね。
最近読んだ作品の中では『驚異の百科事典男』もそうだったかな。
さて肝心の内容についての感想ですが、これを純然たるミステリーとして捉えると正直物足りないものがあります。
破綻しているとまではいかなくても、首をひねらざるをえない箇所もままあるし。
ただ、キャラクター小説として読むと結構面白かったです。
登場人物が一癖も二癖もあって、中でもカジノのオーナーであるニックのキャラクターは秀逸でした。
とぼけた彼の言動にはかなり笑わせてもらいました。
読後感も悪くなかったし、シリーズ続編が出版されたら買おうとも思ってますが、読み終わって何かが残るというようなお話でもなかったので他人にはあまり薦めないですね。
ついでにジェフリー・ディーヴァー著、『クリスマス・プレゼント』についても一言。
ディーヴァーといえば何といっても映画化もされたリンカーン・ライムシリーズが有名ですが、そんな彼の初の短編集が本書です。
さて感想ですが、、、こっちはどうも読みにくかったなぁ。
まぁリンカーン・ライムシリーズを担当している訳者が主に翻訳しているので下手なはずはないんですが、文章のリズムが合わなかったです。
作品の出来そのものもカバーに“どんでん返し十六連発”と書いてある割には読み終わって「えぇ!!」って驚くようなものはなかったし。
正直これなら自分が書いた短編の方がマシだと思いました。(ベストセラー作家の作品に何言ってんだ、と思われるでしょうけれど。)
ストーカーもののお話が多かったのも閉口しました。十六作中半分ぐらいにストーカーが出てくるので、またかよ!って感じでした。
お世辞にもバラエティに富んでいる短編集とはいえないと思います。
ただ、表題作であり、リンカーン・ライムシリーズ初の短編物でもある『クリスマス・プレゼント』はなかなかの完成度に感心しましたけれど。(とはいってもやっぱりストーカーが出てくるんですけどね。笑。)
あとディーヴァーが前書きで述べてあった、短編、そして長編小説への作家としての考え、心得みたいなものは個人的に参考になりました。