この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

SAW5。

2008-12-01 23:41:56 | 新作映画
 デヴィッド・ハックル監督、『SAW5』、11/30、TOHOシネマズトリアス久山にて鑑賞。2008年54本目。

 もはや冬の風物詩となった感のある『SAW』シリーズ最新作が今年もまた公開されました。
 しかしまぁすごいなぁ。
 何がすごいかって、このシリーズぐらい新作を鑑賞するのに前作を鑑賞していることが前提であるシリーズって他にないでしょう?『SAW』シリーズを観るのは本作が最初、って人、いるのかな?いないですよね。
 つまり、理屈でいえば観客数は『SAW』>『SAW2』>『SAW3』>『SAW4』>『SAW5』のはずなんです。
 まぁ実際にはシリーズ第一作はDVDで観た、という人も多いだろうから、この不等式は成り立たないのだけれど、後半の『SAW3』>『SAW4』>『SAW5』ぐらいはまず間違いないと思います。
 にも関わらず毎年毎年ほぼ同じ時期に新作が公開されるってことは、つまり、『SAW2』を劇場で観た人のほとんどが『SAW3』を劇場で観て、『SAW3』を劇場で観た人のほとんどが『SAW4』を劇場で観て、『SAW4』を劇場で観た人のほとんどが『SAW5』を劇場で観るってことなんでしょう。
 何て律儀なファンたち!!
 その律儀さがすごい。笑。
 律儀なことに関しては製作スタッフも負けてはいません。
 自分はシリーズ第一作の『SAW』を映画史上最もラストがインパクトのある作品だと評価しています。何の予備知識もない人が鑑賞したらマジでビビリますよね。
 でも逆にいえばそれだけの映画だとも思っています。よくよく考えたら辻褄が合ってねーべ?って思えるし。
 続くシリーズ第二作(以降の作品)は第一作の辻褄の合わなさを律儀に、必死に、生真面目に修正、補足するためだけに存在しているように自分には思えるのです。
 こんな犯罪、一人では無理でしょ、というツッコミには共犯者を登場させ、共犯者が女じゃやっぱり無理でしょ、というツッコミには新たに男の共犯者を登場させ、警察の内部情報を知りすぎてるだろ、とツッコミには警察の人間が内通していたということにして、、、いやはやその涙ぐましい辻褄合わせには皮肉ではなく感心してしまいます。
 しかし本当に皮肉なのは、辻褄合わせに終始するあまり、第一作にあったようなインパクトがシリーズを追うごとに薄らいでる、ってことでしょうか。
 事実、『SAW5』においては、ギミックによる目を覆いたくなるような残酷なシーンこそあれ、展開の意外さやインパクトなどはまったくありません(謎こそ持ち越されるけど)。
 しかしだからといって『SAW5』が観る価値がないかというと、そうは思いません。
 本作は『SAW4』まで律儀に付き合ってきたファンであればそれなりに納得出来る内容、クオリティになっています。
 それだけでも充分すごいことなのではないでしょうか。 
 少なくとも作品同士の繋がりや辻褄合わせを最初から放棄した、某SF映画シリーズに比べれば、百倍評価してよいことだと思うのです。

 お気に入り度は★★★☆、お薦め度は★(★は五つで満点、☆は★の半分)です。

 次回鑑賞は『WALL・E/ウォーリー』(12/5公開)の予定です。 
コメント (2)
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