ダン・ギルロイ監督、ジェイク・ギレンホール主演、『ナイトクローラー』、8/22、ユナイテッドシネマキャナルシティ13にて鑑賞。2015年28本目。
前評判の高かった『ナイトクローラー』を観に行きました。
まったく面白くないってわけではなかったですが、正直いろいろ納得行かなかったです。
ジェイク・ギレンホール演じる主人公ルイスは一言で言えばサイコパスです。
善悪の観念がなく、他人を思いやるという気持ちを持たず、自分の成功のためには犯罪も平気で犯す、最低野郎です。
まぁそれはいいんですよ。
そういう最低野郎が主人公の映画があったっていいと思います。
納得行かなかったのはルイスが不自然なまでに運が良すぎることですね。
冒頭、小銭を稼ぐために工事現場からフェンスを盗み出そうとしたルイスは警備員に見つかるのですが、ルイスは隙をついて警備員をぶちのめし、彼の時計を奪います。
このときルイスが警備員を気絶させただけなのか、それとも殺したのかははっきりしないのですが、いずれにしても強盗なのですから、そのことで警察に追われないのは不自然です。
気絶させただけなら警備員はルイスの顔を見ていることになるし、殺したにしてもフェンスの盗難現場で警備員が殺されたのであれば、盗難犯が怪しいってことになりますからね。
続いてルイスは望みの物を手に入れるために高級自転車を盗み出します。
その盗んだ自転車をどうするかというと質屋に持ち込むんですよ。
いやいや、持ち主がはっきりしない自転車を質屋が買い取るわけないだろと思ったのですが、店主はあっさりとルイスとの取引に応じるんですよ。
ありえないっつーの。
一事が万事この調子でルイスは自らの成功のためにやりたい放題、時には犯罪も厭わないのですが、何をやろうが結果オーライ、警察に捕まることがないのです。
それが極まるのが、パパラッチになったルイスが警察無線を傍受して、殺人事件のあった高級住宅地に乗り込むシーンでしょうか。
ルイスは犯人の逃亡する姿から、殺害現場の様子まで、すべてをカメラに収めるのですが、いくら彼が警察のパトカーよりも現場近くにいたとしても、そこまでのことが出来るとは到底思えないんですよ。パトカーが来るのがいくらなんでも遅すぎる。
さらに現場から去る彼の車はパトカーとすれ違うのですが、全然見咎められないんですよ。
犯人の乗っている車がわからない以上、現場から猛スピードで走り去る車があったら、パトカーがその車をそのまま見過ごすというのはありえないと思うんですけどね。
それとは別にもう一つ納得行かなかったことがあります。
ルイスはテレビ局の女ディレクターであるニナに体の関係を迫ります。ルイスの持つ映像欲しさにニナは仕方なく了承するのですが、結局二人が交わるシーンは作中ないのです。
何じゃそりゃ、って思いましたよ。
いや、別に熟女ヌードが見たかったというわけではないですよ(本当に)。
でも二人のセックスシーンがないと、なぜルイスがニナの身体を求めたかがさっぱりわからないじゃないですか。
邪推かもしれませんが、ニナを演じたルネ・ロッソ(御年61歳!)は監督であるダン・ギルロイの奥さんなんですよ。
ギルロイは妻のためにニナというキャラクターを作り出したが、いざカメラの向こうで妻の裸を見ることは躊躇したのではないか、って思っちゃいますね。
この作品でギルロイが何を訴えたかったかは何となくわかります。
テレビ業界の視聴率第一主義を嘲笑いたかったのではないでしょうか。
でもその割には何もかも中途半端で、自分はルイスの異常性よりもむしろ悪運の強さばかりが印象に残りました。
そういった細かいことが気にならない人であれば、確かにこれまでにない犯罪ものではあるので、それなりに楽しめるんじゃないかと思います。
お気に入り度★★★、お薦め度★★★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)。
前評判の高かった『ナイトクローラー』を観に行きました。
まったく面白くないってわけではなかったですが、正直いろいろ納得行かなかったです。
ジェイク・ギレンホール演じる主人公ルイスは一言で言えばサイコパスです。
善悪の観念がなく、他人を思いやるという気持ちを持たず、自分の成功のためには犯罪も平気で犯す、最低野郎です。
まぁそれはいいんですよ。
そういう最低野郎が主人公の映画があったっていいと思います。
納得行かなかったのはルイスが不自然なまでに運が良すぎることですね。
冒頭、小銭を稼ぐために工事現場からフェンスを盗み出そうとしたルイスは警備員に見つかるのですが、ルイスは隙をついて警備員をぶちのめし、彼の時計を奪います。
このときルイスが警備員を気絶させただけなのか、それとも殺したのかははっきりしないのですが、いずれにしても強盗なのですから、そのことで警察に追われないのは不自然です。
気絶させただけなら警備員はルイスの顔を見ていることになるし、殺したにしてもフェンスの盗難現場で警備員が殺されたのであれば、盗難犯が怪しいってことになりますからね。
続いてルイスは望みの物を手に入れるために高級自転車を盗み出します。
その盗んだ自転車をどうするかというと質屋に持ち込むんですよ。
いやいや、持ち主がはっきりしない自転車を質屋が買い取るわけないだろと思ったのですが、店主はあっさりとルイスとの取引に応じるんですよ。
ありえないっつーの。
一事が万事この調子でルイスは自らの成功のためにやりたい放題、時には犯罪も厭わないのですが、何をやろうが結果オーライ、警察に捕まることがないのです。
それが極まるのが、パパラッチになったルイスが警察無線を傍受して、殺人事件のあった高級住宅地に乗り込むシーンでしょうか。
ルイスは犯人の逃亡する姿から、殺害現場の様子まで、すべてをカメラに収めるのですが、いくら彼が警察のパトカーよりも現場近くにいたとしても、そこまでのことが出来るとは到底思えないんですよ。パトカーが来るのがいくらなんでも遅すぎる。
さらに現場から去る彼の車はパトカーとすれ違うのですが、全然見咎められないんですよ。
犯人の乗っている車がわからない以上、現場から猛スピードで走り去る車があったら、パトカーがその車をそのまま見過ごすというのはありえないと思うんですけどね。
それとは別にもう一つ納得行かなかったことがあります。
ルイスはテレビ局の女ディレクターであるニナに体の関係を迫ります。ルイスの持つ映像欲しさにニナは仕方なく了承するのですが、結局二人が交わるシーンは作中ないのです。
何じゃそりゃ、って思いましたよ。
いや、別に熟女ヌードが見たかったというわけではないですよ(本当に)。
でも二人のセックスシーンがないと、なぜルイスがニナの身体を求めたかがさっぱりわからないじゃないですか。
邪推かもしれませんが、ニナを演じたルネ・ロッソ(御年61歳!)は監督であるダン・ギルロイの奥さんなんですよ。
ギルロイは妻のためにニナというキャラクターを作り出したが、いざカメラの向こうで妻の裸を見ることは躊躇したのではないか、って思っちゃいますね。
この作品でギルロイが何を訴えたかったかは何となくわかります。
テレビ業界の視聴率第一主義を嘲笑いたかったのではないでしょうか。
でもその割には何もかも中途半端で、自分はルイスの異常性よりもむしろ悪運の強さばかりが印象に残りました。
そういった細かいことが気にならない人であれば、確かにこれまでにない犯罪ものではあるので、それなりに楽しめるんじゃないかと思います。
お気に入り度★★★、お薦め度★★★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)。