この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

ジェットコースター、最前列に乗るべきか、最後列に乗るべきか。

2018-01-10 20:56:23 | 戯言
 1月2日に三井グリーンランドに行ったことはすでに書きました(こちら)。
 そのとき、果たしてジェットコースターは最前列の席と最後列の席ではどちらがスリルがあるのだろうかと考えましたんですよね。
 家に帰ってから調べたところ、ネットでは「最後列の席の方が怖い」という意見が9割方占めていました。
 特筆すべきはその理由です。
 ジェットコースターは最後列の席の方が怖い理由、それは落下スピードが最後列の方が速いから、というものでした(こちらのブログにはっきりとそう書いてあります)。

 件のブログを一読すると、一瞬、なるほど、と納得しそうになります。
 しかしよくよく考えるとそんなわけはないのです。
 ジェットコースターの最前列と最後列とで落下スピードが違うなんてあるわけがない。
 最前列で落下するときの速度が時速115kmだったのが、最後列だと時速120kmだった、なんてことになったら、車両が分解するはずですからね。
 同じく、最高速度に達している時間が最前列では2.5秒だったのが、最後列だと3秒だった、ということもないわけです。
 ジェットコースターでは最前列でも最後列でも最高速度、平均速度、最高速度に達している時間、まったく同じです(違ったら大変)。
 
 ただし、件のブログにも書いてある通り、最高速度に達するときの高さ(タイミング)は最前列と最後列では異なります。
 車両前部は車両後部という重しを引っ張り上げている状態だと考えられるので地上から最も離れた位置(最高地点)最高地点においては最鈍速になります。それに対し車両後部は最高地点においては車両前部に引っ張られる状態になるので最鈍速ということはあり得ません。

 逆に地上から最も近い位置(最低地点)においては車両前部は最速になりますが、(車両前部が衝撃を受け止めるような形になるので)車両後部は最速にはなりません。

 結局、どの位置において最高速度に達しているのかという違いこそあるものの、落下スピードそのものに最前列の席と最後列の席で違いはないのです。

 ではジェットコースターではどこの席に座ろうとスリルは同じなのかというとこれは違います。
 ジェットコースターで一番スリルがあるのは最後列の席です。
 なぜか?
 理由は単純、(件のブログでは思いっ切り否定されていますが)視覚による情報を一番早く得ることが出来るのが最前列の席だからです。
 今自分の乗っているジェットコースターがこの先右に曲がるのか、それとも左に曲がるのか、もしくは1回転するのか、それが一番早く、かつ的確にわかるのは言うまでもなく最前列の席です。
 コースターが右に曲がるとき、身体は遠心力によって左に投げ出されそうになりますから、右側に体重を掛ければ、身体への揺さぶりは最小限に抑えられます。
 いわば最前列の席はもっとも揺さぶられにくい席なのです。

 視覚による情報を一番得にくい最後列の席はもっとも右に左に揺さぶられる席なのだと言えます。
 身体を揺さぶられれば脳は一定のダメージを受けます。
 脳が受けたダメージを私たちは「スリル」として感じ取るのです。

 もし仮に、視覚による情報に寄ってではなく、速度による違いで最後列の方がスリルがあるのだとしたら、(三井グリーンランドの)ブラックホールコースターのような暗闇を走行するジェットコースターにおいても最後列の席の方がスリルがあるはずですが、ブラックホールコースターで最前列と最後列でスリルが違うという話は聞いたことがありません。

 同様に視覚による情報を得られたとしても、それによる対応がほとんど出来ない、(足をぶらぶらさせた状態で乗る)ニオーのようなジェットコースターでも、最前列の席と最後列の席でスリルに違いないと言ってよいと思います。

 先ほどジェットコースターで一番スリルがあるのは最後列の席だ、と述べました。
 これは最後列の席の方が視覚による情報を得にくいからなのですが、例え視覚による情報を得られたとしても、それを意図的に放棄すればいいだけの話なので、最前列の席に座っても身体の力を抜き、揺れに身を任せて乗れば、最後列の席に座ったときと同じ状態になります。結局ジェットコースターのどの席が一番スリルがあるかは自分次第だってことになりますね。

 今述べたことはすべて恐らくそうではないかという考察であり、いわば机上の空論です。
 誰かもっと頭のいい人に科学的にどちらが正しいか判別して欲しいものです。
コメント (2)
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