この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

申し訳ない、どうしても受け入れられない『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン 』、その2。

2020-09-27 22:04:39 | 新作映画
 続きです。

 ないな、と思ったのはヴァイオレットの装着する機械義手も含めた科学技術もそうです。
 本作においてギルベルトは島の人たちのために斜面で作られた作物を運搬する、ロープウェイに似た装置を作ります。
 その運搬装置の動力を見て、自分はすごく驚きました。
 片腕しかないギルベルトが片腕でハンドルを回して動かしているのです。つまり人力です。
 自分は科学には疎いですが、この運搬装置を動かすには作物の重さに加え、ロープの重さ、支持部分の抵抗もあるので、相当な動力が必要であるはずです。
 人の手で動かせるはずがありません。

 何を些末なことにこだわっているのかと思われるかもしれません。
 でもこれは重要なことだと思いますよ。
 なぜならあり得ないと思うのと同時に納得するものもありましたから。
 数百キロは負荷がかかるであろう運搬装置を人力で動かしてしまう世界であれば、機械義手がオーヴァーテクノロジーではないかと疑問に思うこと自体、意味のないことですからね。

 ないな、と思ったのは(おそらく多くの人が感動したであろう)ラストシーンもそうでした。
 頑なにヴァイオレットと会うのを拒んでいたギルベルトは彼女の残していった手紙を読むと一変、彼女を追って港へと駆け出します。
 しかし時すでに遅く、彼女を乗せた船は出港していました。
 けれど、ギルベルトの姿を目にしたヴァイオレットは迷うことなく海へと飛び込むのです。
 多くの人は彼女の一途な思いに心を打たれたでしょう。
 しかし自分はこう思いました。
 両腕が機械義手の人が海に飛び込んだら溺れるんじゃないの?
 もちろん彼女が溺れるはずもなく、次のシーンでは浜辺で二人は見つめ合っていました。
 うん?浜辺?
 ギルベルトは彼女を追って港に行き、彼女も船から飛び込んでいるので、ラストシーンの舞台は間違いなく島の港のはずなんですよ。
 しかし気がつくと二人は島の浜辺で見つめ合っているのです。
 自分はすごく、、、すごく混乱しました。
 山頂で再会を果たした二人が、次の瞬間、山の麓で見つめ合っていたら、そりゃ混乱しますよね。
 自分がプロデューサーだったら、間違いなくこの脚本はリライトさせます。
 常識的に考えてあり得ないことが続けて起きていますからね。
 でも多くの人が感動している以上、この脚本でよかったのでしょう。

 まだ言いたいことはあるのですが、切りがないのでこれぐらいで止めておきます。
 ともかく、yahoo映画のユーザーレビューで、27日23時現在、4.65 点という驚異的な評価点を得ている作品ではありますが、自分はまったく評価出来ません。
 まぁそういうこともあるってことです。

 お気に入り度★☆、お薦め度★★★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)です。

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