この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

どうして続編を作ったんだろうと思った『ジョーカー フォリ・ア・ドゥ』。

2024-10-15 21:35:00 | 新作映画
 トッド・フィリップス監督、ホアキン・フェニックス主演、『ジョーカー フォリ・ア・ドゥ』、10/14、イオンシネマ筑紫野にて鑑賞(ハッピーマンデー割引につき鑑賞料金1100円)。2024年47本目。

 14日は『ビートルジュース ビートルジュース』に引き続いて『ジョーカー フォリ・ア・ドゥ』を観ました。
 でもまさか二作続けて「どうして続編を作ったんだろう」と思うような映画だとは思いませんでしたよ。
 ただ、『ビートルジュース ビートルジュース』の方が純粋に首を捻りたくなる疑問であるのに対し、こちらの方は明確な答えがあります。
 単純に一作目が大ヒットしたから、ですよね。
 そしてあのヒットは監督であるトッド・フィリップスにしても予想外だったのではないか、続編である『ジョーカー フォリ・ア・ドゥ』を観て、そう思いました。

 なぜ一作目の『ジョーカー』がヒットしたのかというと、まず人々がジョーカーがどのように誕生したのか、興味があったから、というのと(ジョーカーが登場する映画は多くとも、ジョーカーの誕生を描いた作品はなかった)、平凡で、どちらかといえば無害なアーサーという男が、悪のカリスマである「ジョーカー」になる、その痛快さが受けたのではないか、って思っています。
 フィリップス監督自身そのことは充分にわかっていて、わかった上で作った続編がこの『ジョーカー フォリ・ア・ドゥ』ではないでしょうか。
 見事なぐらいに一作目とは真逆な作品なんですよね。
 一作目が平凡で無害な男が悪のカリスマになるお話であったのに比べ、本作では悪のカリスマも一皮むけばただの平凡で無害な男だったってお話ですから。
 よくまぁ一作目を踏襲しないものだ、と(好き嫌いとは別に)感心しました。

 感心したことは他にもあって、これまでの映画に登場したジョーカーって特定の誰かだったじゃないですか。
 でも本作における「ジョーカー」は個人ではなく、狂気の集合体を指すんですよね。
 アーサーだったジョーカーは死んでしまったわけですが、そのアーサーを殺した男が次のジョーカーになるってことなんでしょう。
 その次のジョーカーにしても死んだらその名を継ぐ者が現れる。
 まさに狂気の感染で、それこそがサブタイトルの「フォリ・ア・ドゥ」なのではないでしようか。

 ミュージカルシーンも賛否両論のようですが、自分は「アリ」だと思いましたよ。
 ジョーカーが歌っているシーンは、要はアーサーが歌い出したいぐらい感情が高ぶっていることを表現しているんでしょう?
 よくある演出だと思うんだけど、、、少なくとも「ヘルシンキ」より全然「アリ」です。笑。

 何だかやたら持ち上げているようですが、そういうわけでもないのです。
 認めざるを得ない部分も多々あるのですが、好きか嫌いかで言えばあんまり好きな映画ではないです。
 自分はやっぱり平凡な男が悪のカリスマとして成り上がっていく、そんな単純明快なお話の方が好みなのです。
 まぁそういう映画だったら、賛否両論どころか、全方位から否定されそうですが。笑。

 お気に入り度★★★、お薦め度★★★(★は五つで満点、☆は★の半分)です。

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