団塊の世代の世間話

60年を生きてきた思いを綴った「ゼロマイナス1 団塊の世代の世間話」を上梓し、その延長でブログを発信。

デモ頻発から考える

2011-10-09 09:13:00 | Weblog
 世界でデモが頻発している。「アラブの春」からはじまって、アメリカにまで飛び火した。こちらは事情が違って、貧困の抗議行動だった。日本は脱原発のデモが発生している。
 しかし日本でも、いつアメリカのような抗議デモが起こるとも限らない。大学を出ても就職できない若者、いったん落ちこぼれるとフリーターしかない実態、いつまで働いても時給1000円程度で、アパート暮らしが精一杯だ。
 もともと大学なんか行かなくてもいい若者が、世間体や学歴の箔をつけるために行くのだから、どうでもいいことではあるが、雨後の筍のようにできたバカ大学をなんとかしたほうがいいことは確かだ。
 メディアがそれを言わないのは、大学がマスコミ関係者の天下り先になっていることだ。現場で訓練を積んたといって学問ができるわけではない。有名人を広告塔にする大学の宣伝でしかない。
 このままいけば、たぶん日本の社会はもっと悪くなる。首都圏で生まれた若者は親がかりで働かなくなり、結婚も遅れ、あげくが親の財産を当てにするようになる。生きることに真剣さがそがれていく生活をおくるようになる。
 地方から夢をいだいて上京する若者は、こき使われて疲れ切るか、まともな就職もできずフリーターになってしまうか。そういう貧富の差がはっきりと出てきている。
 我々の世代も多くは地方から都会に出て、なんとか家は持てた。高度成長と企業社会が安定していたからだ。成長はとまり企業はリストラの嵐、年金給付率は50%を割る事態になっている。
 ではどうしたらいいのだろうか。なんども提案していることだが、20歳で就職できる教育制度(その中に職業訓練を含める)、働いて収入があれば税金と年金を払う仕組み、70歳まで働けるしっかりした社会制度を構築すること。行政コストを下げることと税収把握のために国民背番号制を早急に導入することではないか。
 つまり社会の不公平感をなくし、透明性を確保して、あるゆる分野で社会的なコストを下げていくことだろう。そのうえで自由でフェアな競争社会を創り上げていく。
 アメリカでは大学自体の授業料がやたら高い。ようやく卒業して就職しても、授業料の回収ができないままリストラで馘首ということも多い。自由な国ゆえの弊害がピークに達しているのだろう。
 日本もいつ、どうなっていくか分からない。制度の抜本的な改革が求められている由縁だ。

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