反格差デモが世界で起こっている。アメリカでもフランスでも英国でも、と先進国でも目立っている。日本は脱原発デモになって、やや特殊ではあるが、いずれは欧米に影響されて、そんなデモも出てくるだろう。
ギリシアのそれは、あまりの杜撰な国家運営に、国民の怒りが爆発したということだろう。日本の政治家も本来なら、それに相当するのだが、国民がおとなしいから助かっている。
それにしても、アメリカなどはアメリカン・ドリームといって努力して汗をかいて夢を実現する、という自由主義の考え方をベースにした国家だ。それがこのざまである。
いろいろと考えると、民主主義と資本主義が行き着いた果ての姿であるのだろう。確かに戦前までの資本主義は、資本家と労働者という階級を産んで、その相克が共産主義を招いたのだが、戦後は資本主義も洗練され、社会主義的な思想が導入されて、社会的な弱者を救済して、平等社会を確立していった。
先進国での様相は全般的にはそうなのだが、いろいろな矛盾が生じる結果になってしまった。制御が効かない金融資本の暴走、生産過剰によるデフレ、IT革命によってあふれる余剰人員、高齢化社会による社会保障費の増大などなど。
突き詰めれば、世界的に労働人口に対して、それをカバーする仕事が確保できなくなってきたのだ。卑近な例だが、エプソンのコンシューマー向けのプリンターを売る日本での取引口座はわずか7社だ。むろん家電量販店のことだが、それで足りてしまっている。
かつては全国に営業所があり、それぞれに営業マンが配置された。ところが全国で7社なら、1社1人で7人もいればOKだ。それをフォローするのはアウトソーシングでも可能で、企業の中ではバブル崩壊以降、余剰人員が多くなり、総務系の仕事ばかりが増えている。
それでも利益を出しているのは、生産の合理化が進み、パソコンとインターネットの普及によるIT革命によって人員は半分でも仕事ができるようになったからだ。
だから余剰人員を他の仕事に回さなければならないが、マーケットは大きくならない。製品はアナログからデジタルに置き換わるだけ。冒険的な新分野進出には、経営者がサラリーマンになって臆病になってしまった。
結局、これからどうなっていくのだろうか、というのが大方の関心だが、要は世界は均質化へ向かうのではないか。みんなが同じデバイスを使う環境で、すでにインターネットで実現しつつあるし、富の偏在も長い時間をかけて解消されていくだろう。
それはたぶん、発展途上国にも及ぶ全地球的な規模で動き出すだろう。いろいろな議論があるが、TPPもまさにその予兆のように感じられる。それによって人々が幸福になるのだろうか。
我々の世代が日本の中流化という均質化を招いた。世代が変われば長くもたなかったが、レベルをさらに低くした均質化が世界的に進行し、そこに落ち着くまで多くの紛争は避けられないだろう。
「60からのマイソング55」を配信中。毎日曜日にhttp://ameblo.jp/shiratorimn/にアップロードしています。エッセーで書いた歌は「団塊SONGS」(検索)で聴くことができます。また「Web写真人」でも検索できます。URLはhttp://shashingin.web.infoseek.co.jp
ギリシアのそれは、あまりの杜撰な国家運営に、国民の怒りが爆発したということだろう。日本の政治家も本来なら、それに相当するのだが、国民がおとなしいから助かっている。
それにしても、アメリカなどはアメリカン・ドリームといって努力して汗をかいて夢を実現する、という自由主義の考え方をベースにした国家だ。それがこのざまである。
いろいろと考えると、民主主義と資本主義が行き着いた果ての姿であるのだろう。確かに戦前までの資本主義は、資本家と労働者という階級を産んで、その相克が共産主義を招いたのだが、戦後は資本主義も洗練され、社会主義的な思想が導入されて、社会的な弱者を救済して、平等社会を確立していった。
先進国での様相は全般的にはそうなのだが、いろいろな矛盾が生じる結果になってしまった。制御が効かない金融資本の暴走、生産過剰によるデフレ、IT革命によってあふれる余剰人員、高齢化社会による社会保障費の増大などなど。
突き詰めれば、世界的に労働人口に対して、それをカバーする仕事が確保できなくなってきたのだ。卑近な例だが、エプソンのコンシューマー向けのプリンターを売る日本での取引口座はわずか7社だ。むろん家電量販店のことだが、それで足りてしまっている。
かつては全国に営業所があり、それぞれに営業マンが配置された。ところが全国で7社なら、1社1人で7人もいればOKだ。それをフォローするのはアウトソーシングでも可能で、企業の中ではバブル崩壊以降、余剰人員が多くなり、総務系の仕事ばかりが増えている。
それでも利益を出しているのは、生産の合理化が進み、パソコンとインターネットの普及によるIT革命によって人員は半分でも仕事ができるようになったからだ。
だから余剰人員を他の仕事に回さなければならないが、マーケットは大きくならない。製品はアナログからデジタルに置き換わるだけ。冒険的な新分野進出には、経営者がサラリーマンになって臆病になってしまった。
結局、これからどうなっていくのだろうか、というのが大方の関心だが、要は世界は均質化へ向かうのではないか。みんなが同じデバイスを使う環境で、すでにインターネットで実現しつつあるし、富の偏在も長い時間をかけて解消されていくだろう。
それはたぶん、発展途上国にも及ぶ全地球的な規模で動き出すだろう。いろいろな議論があるが、TPPもまさにその予兆のように感じられる。それによって人々が幸福になるのだろうか。
我々の世代が日本の中流化という均質化を招いた。世代が変われば長くもたなかったが、レベルをさらに低くした均質化が世界的に進行し、そこに落ち着くまで多くの紛争は避けられないだろう。
「60からのマイソング55」を配信中。毎日曜日にhttp://ameblo.jp/shiratorimn/にアップロードしています。エッセーで書いた歌は「団塊SONGS」(検索)で聴くことができます。また「Web写真人」でも検索できます。URLはhttp://shashingin.web.infoseek.co.jp