団塊の世代の世間話

60年を生きてきた思いを綴った「ゼロマイナス1 団塊の世代の世間話」を上梓し、その延長でブログを発信。

なぜ盗撮が相次ぐのか

2012-08-31 13:56:47 | Weblog
 日本IBMの元会長が盗撮で逮捕された。ここのところ盗撮で逮捕される者が相次いでいる。
 昔から、この手の犯罪で逮捕される人間は多かったことは確かだが、最近はなにかが変わってきているようにも思う。
 まず、スマートフォンを代表するように、カメラ機能を内蔵した携帯端末をいつも持ち歩くことになった。その動画機能はかなり高性能になり、けっこう高精細な絵が撮れるようになった。
 それをポケットに入れているのではなく、手に持って歩くことも多い。確信犯なら別だろうが、たまたまエスカレーターに乗って、前にいる女性がひらひらしたようなスカートを履いていれば、ふっと魔がさすこともあるだろう。
 もし携帯端末がなくて、女性のスカートの中を見ようとすれば、腰をかがめ姿勢を低くして見上げなければならない。かなりみっともない格好だ。
 それが携帯端末なら、スイッチを押して手を差し伸べるだけで撮れてしまう。女性のスカートの中がどうなっているのかという劣情を満たすという意味だけではなく、携帯端末によって人間の五感が拡張したわけで、自分の目の代わりになり、それが盗撮という行為に走ってしまう理由ではないだろうか。
 いわば万能性を持ち得た気分になっているわけで、スナイパーが照準器の中に獲物を捉えた状況に似ていよう。そのスリルが忘れられずに常習化するのだろうか。
 もし携帯端末がなければ、そんなことをしなかった人は多いかもしれない。五感拡張で触発されるのだろうが、盗撮はいってみれば、昔ののぞきだ。
 女湯をのぞいて、お湯をかけられて逃げ出す、というおおらかな時代もあった。いまはれっきとした犯罪なのだが、それほどの罪ではない。
 コレクターは別だろうが、のぞきがばれて舌を出して「すいません」という程度のものだろうが、現代はそれを許さない。痴漢やワイセツ行為などと違って、直接な迷惑をかけているわけではない。
 ならば女性もちょっとしたことでスカートの中が見られるような服を着るものではないだろう。それが犯罪を助長していることも考える必要がある。
 当方だって、そんな状況になれば、いつ魔がさすかもしれない。新しいスマホを買ったばかりの時は危ない。やっぱりケータイはガラケーで十分か。
  
「60からのマイソング55」を配信中。毎日曜日にhttp://ameblo.jp/shiratorimn/にアップロードしています。エッセーで書いた歌は「団塊SONGS」(検索)で聴くことができます。カメラと写真の情報は「Web写真人」で。