団塊の世代の世間話

60年を生きてきた思いを綴った「ゼロマイナス1 団塊の世代の世間話」を上梓し、その延長でブログを発信。

汚染水問題どうなるのか

2013-09-13 14:44:38 | Weblog
 ますます福島の汚染水の問題が深刻化しているようだ。素人には、いったいどうなっているのかよく分からない。東京電力の発表の仕方も小出しで、あっちでもこっちでもという印象になって、全体像がさっぱりつかめない。
 素人の立場からいろいろと考えると、みんな素人なんではないだろうか。東京電力の人間は、電気のことは分かる、原発のこともエンジニアとして理解していよう。だが放射線漏れはたぶん素人で、ましてタンクや地下水のことなど知りもしない。
 原子力規制委員会の人間はどうか。原子力や原発の学問的なことは知っていよう。だが世界でスリーマイルとチェルノブイリでしか大きな原発事故はなかったのだから、原発事故の専門家ではあるまい。ましてタンク、地下水、海流なんか知るわけがない。
 じゃあ、せめて管理をしているタンク屋はどうなのか。これもタンクや水道の管などは知っているが、地下水は知らないだろうなあ。まして原発なんか近寄ったこともあるまい。
 そうした専門家の中に、地質学、海流学のスペシャリストはいるのだろうか。安倍首相は3kmの中でコントロールされている、といったが、誰かが常に見ているといえるのか。
 こっちから見ていると、専門家がよってたかって自分の専門のことだけを声高に主張して合っていて、全体を把握しよう、という姿勢がないから、傍で見ていてもさっぱり分からない。
 つまり全体像を理解して、どう問題を解決したらいいのか、というソリューションが必要なのだろう。それに相応しい人間なんかいるわけがないから、結局は強権を持った政治家が任に就き、強引にコトを進めていくしかないわけだ。
 汚染水に使われているタンクは、5年程度しか持たない。すでに2年が経過して、あと3年で解決がつくのだろうか。放射線除去装置もあるが現在故障中だとか。放射性トリチウムは除去できないというが、これは無害らしく、海に流してもOKとか。だったら、あまりあてにならないが、東芝製のアルプスをずらりと並べて、一気に汚染水の無害化をめざすべきではないか。
 もうひとつのアイデアは、不要になった大型タンカー数隻を福島原発沖に係留させて、汚染水を溜めるようにしたらどうか。それで時間を稼ぐわけだ。
 ただ地下水の問題は残るから、それをどこかで阻止する必要もあるだろうが、そうした解決へのビジョンを一刻も早く提示してもらいたいわけだ。それこそ安倍さんの責任であろう。
 とにかく福島の人たちのことが、やっぱりないがしろにされていよう。国土喪失によって.流民が生まれている。確かに震災であり、災難だったことは理解できるが、その後の処置にどこか同じ国民としての対応に足りないものがある。
 歴史的には、いつも東北の人間は虐げられてきた。かつて西村寿行が『蒼茫の大地滅ぶ』というバイオレンス小説を書いた。イナゴによって東北の大地が滅ぶというテーマだが、まさしく放射能で大地が滅んだのだ。心が痛む問題だ。
 
 エッセー「団塊SONGS」を配信中。原則的に日曜日にhttp://ameblo.jp/shiratorimn/にアップロードしています。エッセーで書いた歌は「団塊SONGS」(検索)で聴くことができます。カメラと写真の情報は「Web写真人」で。URLはhttp://shashinjin.digiweb.jp