ひとり紫苑・プチプラ快適な日々を工夫

書籍「年金五万円が教えてくれたお金の向き合い方」「あるもので工夫する楽しい節約生活」は9万部。工夫の毎日は続く。

原爆の下の美しい衣服たち

2013-08-15 20:50:56 | きものの本&本


今日は終戦記念日ですね。

 

広島と長崎の犠牲の上にようやくやってきた終戦。

 

 

先日の「長い一分」のときに、広島出身であることを書きました。

 

ブログ村の方が、原爆後遺症のNHK番組「終わりなき原爆の後遺症」(MDS)について書かれています。

 

ここはきものブログなんだし、きもの以外のこと、それも重い内容のこと書けなくてさらっと通り過ぎましたが、他人事のように通りすぎず向き合ってみようかなと、励まされました。

 

原爆、ピカのことって、私たち広島出身の人間にとってはあまりに身近か、なんですね。

 

小学校から中高と、6日が来るたびに、いえ、何かあると、千羽鶴の話やら、記念館に連れていかれます。

 

正直、抵抗ありました。

 

資料館の原爆の絵画にしても、子ども心には単純に、その夜はうなされるほどに「怖い」。

 

戦争がどんなに怖いものかを、嫌になるほど知らされた、というか。

 

何年か前に、写真家石内都さんの写真展「ひろしま」を見たとき、初めて素直に泣きました。

 

変哲もない日常がどんなに美しいかと知りました。

 

その後写真集が出ました。

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「ひろしま」(石内都・集英社)

宝物です。

 

石内さんは、カメラマンの登竜門ともいえる木村伊兵衛賞を受賞した女性カメラマンで、母親の遺品を撮った「マザーズ」など、独特の視点で写真を撮り続けている方です。

 

彼女が撮った「ひろしま」の写真。それはこれまで見たどんなものとも違っていました。

 

女性たちが、これらの衣服を着たままピカに遭って、あるいはこれらの美しい衣服を遺したまま逝ってしまった。

 

もう誰にも着られることなく、資料館に遺されていた衣服たちを一つずつ取り出して光にもとで撮ってーーもう誰にも着られることない、太陽の下で輝くこともない衣服たちにもう一度命を与えたいとでも願っているようです。

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きものをほどいて作ったブラウス。

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櫛と熱で溶けた化粧瓶。

ピカの後遺症の番組、実感として怖いです。

 

私自身はともかくーー。

 

あの当時、原爆が落ちた土地を「立ち入り禁止」などすることなど誰が考えたでしょうか。

 

80年間草木が生えない」と言われた土地に、キョウチクトウの花が咲いたとき、多くの人は喜んだといいます。

 

「この土地で生きていける」と。

放射能の影響云々の前に、生きるだけで精いっぱいだった時代。

 

上の世代には、「両親が被ばくしているから子どもは産まない」という人もいます。

 

私自身、原因はわかりませんが乳がんの手術を受けています。

 

被ばくしていなくても、あの土地のものを食べ、砂場で遊んだ多くの人たちに、どんな影響が出ているのかはわかりません。

 

父は、「将来、子供たちが差別されないために原爆手帳はもらわなかった」と言って、でもガンになったときに「治療費がだいぶ違うから、もらっておけばよかった」なんて呟いていました。

 

現実的な話で済みません。

 

ドイツのヒトラーやアウシュビッツの話に興味を持っています。

 

子どものころに聞いた話の影響なのかどうかはわかりません。

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感動したのは「夜と霧」を書いた心理学者フランクルの「それでも人生にイエスと言う」(春秋社)です。

 

アウシュビッツで「悲惨」などという言葉では表せない経験をしながら、人の醜さも嫌というほど見ながら「それでも人生にイエスと言う」?

 

本棚の片隅に追いやられていましたが、再読してみました。

 

そのなかで、彼はこんなことを言っています。

 

「-作業場での話題はいつも同じものでした。不気味に繰り返し同じことが話題になっていました。食べることが話題だったのです。--私たちは、動物のような苦痛ではなく、ほんとうに人間らしい苦悩、問題、葛藤にどれほど恋いこがれたことでしょう。-とにかく人間にふさわしく意味のある苦悩が課せられている状態をどれほど切望したことでしょうか」

 

再読の機会を与えてくださって感謝いたします。

 

ブログ続けていてよかったと思いました。

 

いくつになっても、粗忽、雑、ではありますが、この先も学び、自分らしく考え続けたいと思います。

応援ありがとうございます。

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コメント (2)
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