最近、少し生活に変化が出て、落ち着きません。
合間に古い本を読むことが増えて、
(古い本のほうが落ち着くね)
話題も、つい読んだ本のことに行きがちです。
暮らしの整理の時期に入っているようです。
「断捨離」も「お片付け」もいいのですが、
私的に気に入ったのは、この一冊。
「優雅な暮らしにおカネは要らない。
貴族式シンプルライフ」(集英社・シェーンブルグ著)
2006年だから10年くらい前の本。
細かい箪笥の整理とか、
洋服の捨て方といった実用に焦点を
当てているとしたら、こちらは少し哲学的というか、
考え方の根底みたいなものを見直す本、かな。
やはり、フランスの貴族だそうです。
フランス人は貴族がお好き?
いや、日本人が好きだから?
「きものも10着でいい?」→「フランス人は10着しか服をもたない」より
「こうありたい」という「理想のイメージ」を提示して、
それを実現するためには、自分なりの方法を考え、
できることから実行していくという本。
細かいところまで指示、されるより、
細かいところは自分で考えろと
ちょっと突き放した感じがいい。
私はこういった本のほうが素直に読める。
押しつけがましくないからかな。
もちろん、実用的な提案もあります。
「お金を使わないファッション」の項目では
「一つだけはバーゲンなど本物を買い、
ほかはすべてプチプラでいい」とか、
「ワクワクするのは購入直前だけ」(確かに!!)
といった納得の言葉も。
「文化で窒息しそう」「グルメは俗悪」とか、
「一流レストラン」の食事もいいけど、
家で食する普通のお惣菜のほうが美味しいカモ、
とこの年になればわかる~~。
実用書と違うのは、面白いエピソードを紹介していること。
たとえば、没落貴族が街の掃除夫になって、
「わが家をきれいにする召使いになった遊び」
と、想像して、
「道をきれいにすることを楽しんでいる」
おカネはなくても、心は貴族っていいよね。
こういうユーモアがある人たちって
「おカネのあるなし」にかかわらずいいよね。
どんな状況になっても心に余裕がもてる~~?
生き方って、要は、考え方次第なんですね。
「勇気をもって自主性(自分の感受性)を取り戻す」、
「自分が本当に楽しめること」をすること。
これって、先の「春樹型生き方」や
「アルケミスト」に通じるものあります。
うーん、この頃のワタシって、こういう考えをしっかり
身に付けようとしているのかな。
きものに夢中のときには、なにを見ても
帯に見えたように、
同じ傾向のことがらに、固執している、みたいです。
大きく広げた暮らしは、整理も大変なんですね。
きれいに整理していかなく、逝かなくちゃね。
気が向いたら
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私がボランティアで関わっていた小学校に、市のシルバー人材センターから派遣されて来た初老の男性がいました。秋に大量の落ち葉が校庭につもるので、その回収と掃除が仕事です。その男性は、元は誰でも知る大企業の重役さんでしたが、退職後は会社の嘱託も辞めた後、超低賃金のこの作業を引き受けられました。本当に生き生きと楽しそうでした。重役室の椅子に座っていると、製造の現場、廃棄の現場、消費の現場、といった生きた現場から遠ざかる。大量の落ち葉を集めていると、何か、こう、原初的な働くということを思い出す、とおっしゃっていました。何より、校庭で季節を感じ、子どもの声を聞き、おっちゃんと呼ばれることが良いと。
私は、すごく分かるような気がしました。些細なことですが、私は職場の自分の部屋は掃除婦さんではなく自分で掃除しました。私が使うトイレ(専用ではありませんが)も私が毎日掃除しました。こうして、一番大事なことを忘れないようにしていたつもりです(甘いですが)。退職したら、何か全く違う仕事にしばらく就いてみてもいいなと思いました。でも、ボランティアなどでいろいろと忙しくなり、実現していません。こう考えられるのは、ある一つの、やりたい仕事を終えた後だからかもしれません。インテリの趣味やこだわりなどと揶揄されるかもしれないし。しかし、今の私は、どんな仕事も生き生きとできるような気がするし、そうでありたいです。
ちょっとズレタ書き込みだったかもしれません。
季節の風を吸い、空を見上げて、体を動かし続けられればいいですね。その男性は、落ち葉集めを優雅に楽しんでおられました。私も応募しようかなと思っています。長くなってしまいました。
いつも素晴らしいコメント、ありがとうございます。
ほんとに、身体を動かして原初的な働く喜びを感じる、なんてすばらしいです。
私も影があると言われたとき、別のところにいって一人で小さな部屋を借りて、仲居さんでもボランティアでも、できることやって暮らそうかなと思いました。死を感じたら、やたら不安になるのではなく、もう自分の思うままに生きていいと思います。最期はネコのように誰にも知られず逝くというのもいいなと思ったり。
こういう本を読んだのも、頭にそんな思いがあったからなんですね。
コメント返し、遅れてごめんなさい。いつも力強い、実感のこもったお言葉、すごくすごくうれしいです。