閃き

変化も気付く事も無い平凡な毎日の中にきっと閃きがあるはず。閃きを求めた記憶

無茶振り

2015-08-28 06:02:16 | 閃き
突然、会社に隣の市の会社の社長さんから電話が入った

その社長さんは有名人で、若い頃は大きな夢を抱き、突拍子も無い大きな事をしては話題となり、テレビにも度々登場するなどの人気振りであったが、段々と衰退して今はその名前も聞かなくなっていた

時々その会社の近くを通る時に思い出している位で、気にも留めない程度であった

その社長から電話が入り、相談したいことがあるので来社するという

その対応に私が指名されてしまった

午後からの会議に備えて色々忙しい時だが、仕方なく応対した


来社され、応接室にお通ししてお話しをお聞きした

本業は不振なので、最近では環境、農業、漁業などに関する事業に進出していて、真に画期的なシステムが出来上がった

それを更に向上する為に我が社にあるものを製作して欲しいという内容だった

その方の秘密保持上、詳細は勘弁頂きたい


持ち込まれた物は確かに我が社の製品であった

その製品を知人から紹介され、使用したところ結果が良いと言うので製品化に乗って欲しいというもの

ご紹介頂いた方はよく知らないのだが、お話しを詳しくお聞きすることにした


始めに長々と、現在進められている新事業の説明を受け、その中で我が社の製品がどのように適しているのか、又、具体的にどういった機能が必要なのかを知る為にただ、黙って聞いていた

その社長は、よく判らない理屈を持ち出して説明し、それを作ってくれと言う

何度聞いても理解出来ないので、説明の為に上司の許しを得て工場内に案内し説明をした

その社長は手当たり次第歩き回り、置かれているものを勝手に触り、これは何だ、これが欲しいと我が儘邦題

案内してしまった私も悪いが、これではワンマンすぎて上手く行かないだろうと感じた


応接室に戻り、工場内で説明した事を元に無茶な要求をしてくる

切れる訳にもゆかず、お連れの方に耳打ちして試作品を製作する方向で対応することを約束してお引き取り頂いた


帰り際に、発売日は来月1日を予定しているとのこと

そんな状況でここへ来社されて試作とはまたしても意味不明だが、聞き流すことにした


お若い時の突拍子も無いアイデアと行動力には憧れる事もあったが、無茶振りする今の姿は只の我が儘な老人である

考えさせられた


コメント
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