カンチャン狂騒曲

日々の事をあれこれと、大山鳴動してネズミ1匹がコンセプト。趣味さまざまなどを際限なく・・。

台風3号と桜の樹

2017-07-10 09:50:49 | 日常あれこれ
 図書館から3冊本を借りてきて読んでいる。

 「1914」という題名の本は読み始めて直ぐ、一度読んだことのある本だと分かった。

 変わった題の本を選ぶ傾向にあるので過去にも2度ほど同じような経験をしている。

 ただ、同じ本でも「読んだ時や場所・場合の違い」で内容から受ける印象が変わったりするから一概に失敗とは言えない。

 この1914を含めて「超カンタン俳句塾」「桜の樹の下には瓦礫が埋まっている」の3冊である。

 
 「桜の樹の下には瓦礫が埋まっている」村上龍(著)2012.6KKベストセラーズ(刊)

 雑誌に発表されたエッセーをまとめたものらしい。

 表題作の他17編で構成されたエッセー集である。

 梶井基次郎の「桜の樹の下には屍体が埋まっている」という短篇をもじったものだ。

 綺麗な桜の樹の下には我々の知らない、或いは忘れたものが埋まっているというなら、屍体もあるだろうし作者は3・11以降大量に発生した瓦礫が埋まっていたとしてもおかしくはないのだという。

 じつは散歩コースであって、図書館への最短コースでもある堤防沿いの道には沢山の桜が植えられている。

 その内の何本か(多分10本前後)は先日の台風で根元からなぎ倒されている。

 その後の大雨で川も水量を増したがその濁流で倒されたものではない、台風の直後に通った私が確認している。

 川岸に植えられているため水分が多い土壌で、根を張る必要性が乏しいからではあるまいかと思っていた。

 ところが昨日河川公園の駐車場脇を通ったら、周りをコンクリートで固められ岸辺と違ってなかり条件の厳しい場所の桜が倒れ、枝などは切断除去されたものに遭遇した。

 
 

 今年の桜は開花時期が少し遅れて、桜祭りは3分咲きくらいで行われたのだが、その中でこの桜だけがピンクと白の2色を花を咲かせて人気ものになっていた。

 似たような花を咲かせる品種のものが城址公園の脇にもあって、毎年写真を撮りに行っていたが立ち入り禁止で今年はいけなかった。

 「珍しい花ですね、桜じゃないですよね」と若い男女が写真を写していた私に話しかけてきた。

 「多分鑑賞用に改良された新種の桜と思いますよ」などと、得意そうに答えたことを思い出した。

 あれから3ヶ月、倒れて幹も枝も切り取られた樹に近寄って写真を撮りながらふと付近に沢山の木の実が落ちているのに気がついた。

 

 梅の実?え~まさか、触るととても堅い表面には短い産毛のようなものが・・・。

 梅雨も上がろうという時期だがら梅はもう熟すくらいになるしこんなに堅くはない筈だ。

 じゃあ何だ?ということで、思いつくのは・・・桃?

 桃の花は桜とは見分けがつく、・・・でも紅白の花が同じ幹から咲く桃も確かにあったと思いついた。

 「すみませんでした。どうやら私が間違っていたようです。桃かも知れません」

 今も何処かにいるはずの、あの時の男女の仕草がふと脳裏に蘇ってつい言葉が喉から出そうになった。

 
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コメント
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