たまたま図書館から借りた2冊の本が、前回同様またもやノーベル賞作家のものだった。
こうした本をず~っと読んでいる人は直ぐ分かるだろうが、私など突然読書を再開し、しかも翻訳物ばかりにここ暫く読んでいる者にとっては、作者名すら馴染みがない。
その1冊目は・・・「埋み火」(米)ソール・ベロウ(訳)真野明裕・・1998年角川春樹事務所
82歳の時に書かれた初恋の物語。ツルゲーネフの「初恋」が若い時分の心情を語るのに対して、中高年に差し掛かった男の初恋は・・・お互い紆余曲折の末の現在進行形という形をとっている。
まあ、酸いも甘いも噛み分けた後の初恋の味とはいかがなものか・・・。
2冊目は、「飢えのリトルネロ」(米)J・M・G・ル・クレジオ(訳)村野美優
フランス生まれで創作活動の主体は米国という作家。
フランスは第二次世界大戦においてどの様に戦争に関わってきたのか、家族の問題と時代の問題が絡み合い交響し合って、反復回帰(リトルネロ形式)してゆく。
テーマとなる音楽は「ボレロ」・・・そう言えば繰り返すなあ、あの曲は。
最高に盛り上がって終わる音の渦の後に・・・・恐ろしいような静寂。
人々はその時々において選択し決断しそして生きていくが、その時〇であったものが後で×に成ることもあるし、またその逆もある。
どう立ち回ってどう生きていくか・・・・これまた永遠の課題。
人間のDNAには飢えのみが強烈にインプットされる。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます