今年はもう逢えないかと思っていた
しかし、君はやって来た
随分と遅れて
瞳は相変わらず空が反射したように澄んでいたが
少し痩せて映った
栗色の髪が緩やかになびく
スマホを操る無数の手
そんな中、君はバッグから文庫本を取り出した
活字に視線を置いたまま
「元気にしてた?」と尋ねる
この先、君は色づいてゆく
そして美しさが絶頂に達した頃
君は別れの気配を漂わせ
やがて北風が強く吹いた日に
突然、姿を消し去るのだ
微かな香りを街に残して
今年はもう逢えないかと思っていた
しかし、君はやって来た
随分と遅れて
瞳は相変わらず空が反射したように澄んでいたが
少し痩せて映った
栗色の髪が緩やかになびく
スマホを操る無数の手
そんな中、君はバッグから文庫本を取り出した
活字に視線を置いたまま
「元気にしてた?」と尋ねる
この先、君は色づいてゆく
そして美しさが絶頂に達した頃
君は別れの気配を漂わせ
やがて北風が強く吹いた日に
突然、姿を消し去るのだ
微かな香りを街に残して