街に漂うキンモクセイの香り
それに包まれながら歩き、考えていた
僕は突発的に決断力が働くことがある
大抵、マイナスに作用することが多いのだが
今度もそうなのかもしれない
20年近く通い続けた病院をやめてしまった
今はメンタルクリニックと柔らかい言葉を使っているが
根本は精神科に変わりない
僕の指が勝手に病院に向かい
僕の声が勝手にやめることを伝えていた
現状維持なら、この病院でよかったのだ
しかし、一生このままなのかという漠たる不安
1分だけの医者との会話とも言えない会話への不満
そうしたことが重なり、変化を求めたくなった
次の病院がどういった方針なのかは
通わなければ分からないこと
目覚ましい改善を期待している訳ではない
ただ、このままでは納得がいかないという思いのみで
僕は知らない道を歩くことを欲したのだ