昨日、王座戦第5局が行われ、藤井聡太竜王・名人が永瀬拓矢王座に勝ち、3勝1敗として王座を奪取しました。
ついに藤井聡太が八冠制覇、全冠制覇を成し遂げました。コンビニで久し振りにスポーツ新聞を買ったのですが、他紙の一面も藤井でしたね。
昨日は仕事は休みで病院へ行きました。午後1時頃に帰宅したのですが、局面が動かないので、夕方から本格的に観戦しました。
昼食休憩まで藤井七冠が2時間48分を使っているのに対し、永瀬王座の消費時間はわずか21分。それでもAIは永瀬王座有利を示していたので、研究では藤井さんは永瀬さんに及びません。その後、攻める永瀬、守る藤井の展開が長く続きましたが、盤上の中央に桂を打ち込んだ辺りから藤井が反撃。そこから二転三転あり、最終盤で永瀬勝ちの局面になりましたが、1分将棋ということもあり詰みを発見出来ず、馬で王手をかけました。結局、この手が敗着となりました。
藤井さんが勝利に向けて着実に進む中、永瀬さんは何度も激しく髪をかきむしり、両手を組み合わせ祈るようなしぐさ。個人的には強く印象に残りました。
とにもかくにも藤井さんはよくやりました。快挙です。僕も良かったと心から思いました。勿論、藤井贔屓というのもあるのですが、これが八冠達成の最後のチャンスかもしれないと考えていたからです。
この対局もそうでしたが、10代の頃のような神懸かった終盤力に陰りが見えます。10才年上の永瀬さんが「以前より力が縮まった」と話していましたが、全くその通りだと思います。
途轍もない才能の藤井に対し、途轍もない努力の永瀬。永瀬さんの場合は努力家という言葉では表現しきれないものがあります。将棋に命を懸けていると言った方が相応しい。
藤井さん始め、中学生棋士ら才能に恵まれた棋士は爪先に重心をかけて盤上を駆けますが、永瀬さんはかかと体重。それが常人では考えられない努力でシリーズの内容的には藤井さんを上回る将棋を指しました。
まだ永瀬さんが修行時代、ネットを通じて少し話したことがあるのですが、その時は先輩がどうのこうのと普通の少年らしいことを呟いていました。立派になりましたね。才能は枯渇していくけれど、努力は積み重ねられる強みがあります。
最後に改めて藤井君、八冠達成おめでとう。藤井君がいなければ今の将棋界はなかった。救世主と呼ぶに相応しい。