五月二十日(水)晴れ。
今日は私が役員の末席を汚している大行社の幹部会議があり出席。車で行こうとも思ったが、読みかけの本があったので、久しぶりにバスと電車を乗り継いで東京行き。
会議は一時間ほど、四宮正貴先生の後にご挨拶をさせて頂いた。夜の食事会を所用ありて欠席。往復のバスと電車で、読みかけの本を読了した。随分前にマゾンで購入した『消えた潜水艦イ52』(NHK出版)。以前NHKのドキュメンタリーで放映したそうだが、残念ながら見ていなかった。終戦間際にドイツに向けて、五隻の潜水艦が出航した。無事に日本に帰ったのはただの一隻のみ。この遣独潜水艦のことは、吉村昭の『深海の使者』という名著があり、潜水艦好きな人にはお勧めの本である。
潜水艦は、その大きさで区別され、大きい順からイ号、ロ号、ハ号と呼ばれた。伊52の派遣の目的は伊30号により持ち帰ったドイツ製工業製品の製造技術の取得のために派遣された。当艦に便乗していたのは主に民間の技術者である。ドイツへの技術供与の対価として二トンの金塊、および当時のドイツで不足していたスズ・モリブデン・タングステンなど計二二八トンが積載されていた。アメリカ軍は訪独潜水艦作戦に特別な関心を示し日本とドイツ間で交わされる無線を傍受、その動きを追い続けていた。 イ52は無線交信では「モミ」と呼ばれていた。しかし、当時ドイツが占領していたフランスのロリアン港に向かう途中で、アメリカのアベンジャー攻撃機によって撃沈された。
当時、日本側は、イ52が撃沈されたと言う情報がなかった。あくまでも「撃沈された可能性が高い」という憶測が唯一の情報だった。それが、最近になってアメリカ側の大戦当時の情報公開によって、イ52が撃沈されたことが分かったのである。最高機密であったイ52などの件独潜水艦作戦は、アメリカの暗号の解読によって、航路や乗船した幹部乗組員や民間の人たちの情報も知っていたのである。イ52を撃沈する際に録音したテープが残っており、NHKで放映したものがユーチューブなどで見ることが出来る。イ52のスクリュー音や、音響魚雷によって爆沈する際の爆発音が鮮明に分かり、胸を締め付けられる。
最近、大量の金塊が積載されていたいう記録から近年トレジャーハンターにより沈没位置が特定され船体も発見された。そして遺品や積荷のごく一部が引き上げられたが金塊は発見されなかったが、深海に眠るイ52の艦影を見ることが出来た。しかし水深五千メートルもの深海であることから資金がかかり過ぎるので、それ以上の調査と金塊の引き上げは断念された。遺品は日本に送られた。
折角命懸けで日本に持ち帰った魚雷艇用のエンジンも、当時の日本の技術者のトップレベルの人たちが、どう研究しても同じ物が出来なかった。レーダや対空砲火のVT信管など、技術の差があり過ぎたことが良く分かる。単に潜水艦のことだけにとどまらず、当時の日本とアメリカやドイツとの技術力の差、と言うものを知る上でもとても勉強になった。そして、なぜゼロ戦を凌駕する戦闘機が作れなかったのか、ということも理解できた。本を買って、良かったと思うのは、こういった本を読んだ時である。
お世話になっている方からアスパラを頂いた。早速バター焼き、てんぷら、フライなどにして酔狂亭でアスパラ三昧の夕餉。快酔なり。
今日は私が役員の末席を汚している大行社の幹部会議があり出席。車で行こうとも思ったが、読みかけの本があったので、久しぶりにバスと電車を乗り継いで東京行き。
会議は一時間ほど、四宮正貴先生の後にご挨拶をさせて頂いた。夜の食事会を所用ありて欠席。往復のバスと電車で、読みかけの本を読了した。随分前にマゾンで購入した『消えた潜水艦イ52』(NHK出版)。以前NHKのドキュメンタリーで放映したそうだが、残念ながら見ていなかった。終戦間際にドイツに向けて、五隻の潜水艦が出航した。無事に日本に帰ったのはただの一隻のみ。この遣独潜水艦のことは、吉村昭の『深海の使者』という名著があり、潜水艦好きな人にはお勧めの本である。
潜水艦は、その大きさで区別され、大きい順からイ号、ロ号、ハ号と呼ばれた。伊52の派遣の目的は伊30号により持ち帰ったドイツ製工業製品の製造技術の取得のために派遣された。当艦に便乗していたのは主に民間の技術者である。ドイツへの技術供与の対価として二トンの金塊、および当時のドイツで不足していたスズ・モリブデン・タングステンなど計二二八トンが積載されていた。アメリカ軍は訪独潜水艦作戦に特別な関心を示し日本とドイツ間で交わされる無線を傍受、その動きを追い続けていた。 イ52は無線交信では「モミ」と呼ばれていた。しかし、当時ドイツが占領していたフランスのロリアン港に向かう途中で、アメリカのアベンジャー攻撃機によって撃沈された。
当時、日本側は、イ52が撃沈されたと言う情報がなかった。あくまでも「撃沈された可能性が高い」という憶測が唯一の情報だった。それが、最近になってアメリカ側の大戦当時の情報公開によって、イ52が撃沈されたことが分かったのである。最高機密であったイ52などの件独潜水艦作戦は、アメリカの暗号の解読によって、航路や乗船した幹部乗組員や民間の人たちの情報も知っていたのである。イ52を撃沈する際に録音したテープが残っており、NHKで放映したものがユーチューブなどで見ることが出来る。イ52のスクリュー音や、音響魚雷によって爆沈する際の爆発音が鮮明に分かり、胸を締め付けられる。
最近、大量の金塊が積載されていたいう記録から近年トレジャーハンターにより沈没位置が特定され船体も発見された。そして遺品や積荷のごく一部が引き上げられたが金塊は発見されなかったが、深海に眠るイ52の艦影を見ることが出来た。しかし水深五千メートルもの深海であることから資金がかかり過ぎるので、それ以上の調査と金塊の引き上げは断念された。遺品は日本に送られた。
折角命懸けで日本に持ち帰った魚雷艇用のエンジンも、当時の日本の技術者のトップレベルの人たちが、どう研究しても同じ物が出来なかった。レーダや対空砲火のVT信管など、技術の差があり過ぎたことが良く分かる。単に潜水艦のことだけにとどまらず、当時の日本とアメリカやドイツとの技術力の差、と言うものを知る上でもとても勉強になった。そして、なぜゼロ戦を凌駕する戦闘機が作れなかったのか、ということも理解できた。本を買って、良かったと思うのは、こういった本を読んだ時である。
お世話になっている方からアスパラを頂いた。早速バター焼き、てんぷら、フライなどにして酔狂亭でアスパラ三昧の夕餉。快酔なり。