白雲去来

蜷川正大の日々是口実

『黄砂の籠城』上下を読了。寂しい。

2018-04-23 18:07:34 | 日記
四月二十日(金)曇り。

面白い読みかけの本が自宅にある時、出かけていても気もそぞろとなる。まるで新妻が待っているような気になって、家路を急ぐ。先日読了した『黄砂の籠城』(上下、松岡圭祐著・講談社文庫)は、久しぶりにそんな思いのした本だった。私は不勉強で知らなかったが、作者の松岡圭祐氏は、デビュー作の『催眠』はミリオンセラーとなり、代表作の『万能鑑定士Q』シリーズと『千里眼』シリーズを合わせると累計一千万部を超える人気作家とのこと。シェーという感じだ。

そのベストセラー作家が書き下ろした、義和団事件を題材にした、痛快小説だ。外国公使館区域を包囲した外国人の排斥を叫ぶ義和団から公使館を守るのは、新任の駐在武官の柴五郎中佐率いる日本人だった。この義和団事件をモデルに昭和三十八年にアメリカで製作されたのが「北京の55日」である。私は、その映画を、横浜の長者町にあった映画館、ピカデリーで見た。この時、柴五郎役を伊丹十三が演じていた。アメリカ映画だけあって、史実を全く無視して、日本軍の活躍はほとんど描かれていない。

私は、いわゆる、大陸ものと言われる中国関係の本が好きだ。特に馬賊や戦前の上海、満州を取り上げた本は必ず読む。船戸与一の『満州国演義』九巻を読んでいる時は、楽しくて、楽しくて、読了するのが惜しくて、ああもう残り二巻か・・・。ため息が出たものだ。今回読んだ『黄砂の籠城』もそんな思いのした本だった。柴五郎に関しては、石光真人の『ある明治人の記録―会津人柴五郎の遺書』 (中公新書 )や村上兵衛の『守城の人―明治人柴五郎大将の生涯 』(光人社NF文庫)、平凡社東洋文庫から『北京籠城北京籠城日記 』などが出ている。こうして読書の連鎖が続き、日々が充実する。読書人たれ。

朝から、病院めぐり、常備薬を貰いに内科へ。なくしてしまった保険証の再交付のために区役所。その後歯医者。そんな訳で、夜はおとなしく酔狂亭で独酌。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『燃えよ祖国』の最新号(238号)が完成した。

2018-04-23 11:21:10 | 日記
四月十九日(木)晴れ。

昨日、東京の帰りに「そごう」のデパ地下で「玉ねぎ」と「小エビ」のかき揚を買った。それを麺つゆで煮て卵でとじる。私の好きな「煮天丼」である。シジミの味噌汁で、肝臓を整えた。

私の機関誌『燃えよ祖国』の最新号二三八号が完成した。機関誌の発行は私のライフワークである。最新号が出来ると、自分にご褒美と、ちょっと高い酒を飲む。最新号のメインは、お世話になっている猪野健治先生の「野村秋介ー反体制右翼の復権」である。数多ある野村評の中では出色であると思っている。他は、岩田晃一氏の「秋さん哭いてくれー青葉光正邪の弁を子に訓ふ」。この句は三上卓先生の作で、以前、岩田さんが、その句を表装したものを野村先生から頂いた思い出を書いている。

昨今、筆名の高い横山孝平さんの「右翼ノート・今何が起きているのか」から両陛下が沖縄を訪問した際の「天皇陛下行幸・現地御奉迎の記」の第一回を書いて頂いた。青森県の濱田さんは「雪国便り」。林雄毅さんの「歴史に学ぶ人生」の第三回は「不倫は果たして悪徳なのか」。正にタイムリーである。岸田忠稔さんの「わが心の野村秋介」は、「野村さんと娯楽」。函館の島田不二雄さんは「私の読書遍歴」として「この国のけじめ」。大日本千鳥足の会の会長である豊橋の竹田忠正さんの「酔生夢生」は「平昌五輪に思う」。

近いうちに、弊社の松本佳展君やそのグループの人たち、あるいは、関西社友会の皆さん、札幌の社友の皆さんからも原稿を頂き、全国的な展開を行って行きたいと思っている。是非とも『燃えよ祖国』を応援して下さい。

夜は、友人と、自宅の近くの「浜一寿司」にて一献。途中から愚妻、松本佳展君合流。久しぶりの大破・轟沈の夜だった。写真は、『燃えよ祖国』の表紙。平成四年の冬小樽にて。撮影は、「不肖・宮嶋」こと宮嶋茂樹氏


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする