九月二十五日(水)晴れ。
冷ご飯が沢山冷蔵庫にあったので朝から焼き飯、早い話がチャーハンである。それに「ウェイパー」を使った白菜のスープ。とりあえずは三流中華料理屋のようになった。昼は、上の子供が山梨に行った折に買ってきたカップ麺の「吉田のうどん」。夜は、海のない所に住んでいるにも関わらず、食通の友人から送って頂いた「マグロ」の刺身と玉ねぎと豚肉炒め。お供は、カロリーゼロの缶ビール一本と「黒霧島」。
久しぶりの本マグロである。慌ててスーパーに行って「本わさび」を探したが、三軒捜してやっとあった。ふふふ、むむむ、ひゃひゃひゃと声にならぬ声を上げて、貧乏性なので余り厚切りにせずに恐る恐る食べた。嫌なことがあっても、このマグロの一口で気持ちはハイになる。
「人を恋うる歌」の中に、「妻子を忘れ家を捨て 義の為恥を忍ぶとや 」というくだりがある。同じ意味ではないが、高山彦九郎、蒲生君平と共に、「寛政の三奇人」と言われた林 子平の歌にこういうものがある。
家もなく妻なく子なく版木なく金もなければ死にたくもなし
林はロシアの攻撃から国を守るために国防の必須なるを説いた警世の書『海国兵談』を書いた。その書は幕府によって異端の書とされて版木(印刷するために字を彫った板)没収され、仙台の家に禁錮幽閉されてしまう。幽閉中に多くの和歌を作り、自筆本『籠居百首』を残してその表紙に「六無斉遺詠」と記した。前述の和歌は、その六つの「無い」を詠んだものだ。(「辞世の歌」)より。幕末の志士の歌で「死にたくもない」と詠んだ歌は林以外に知らない。『辞世の歌』を書いた松村雄二氏は、「余程残念だったろう」と書いている。
金がないぐらいで、すぐオロオロしていては林 子平に申し訳ないか。
冷ご飯が沢山冷蔵庫にあったので朝から焼き飯、早い話がチャーハンである。それに「ウェイパー」を使った白菜のスープ。とりあえずは三流中華料理屋のようになった。昼は、上の子供が山梨に行った折に買ってきたカップ麺の「吉田のうどん」。夜は、海のない所に住んでいるにも関わらず、食通の友人から送って頂いた「マグロ」の刺身と玉ねぎと豚肉炒め。お供は、カロリーゼロの缶ビール一本と「黒霧島」。
久しぶりの本マグロである。慌ててスーパーに行って「本わさび」を探したが、三軒捜してやっとあった。ふふふ、むむむ、ひゃひゃひゃと声にならぬ声を上げて、貧乏性なので余り厚切りにせずに恐る恐る食べた。嫌なことがあっても、このマグロの一口で気持ちはハイになる。
「人を恋うる歌」の中に、「妻子を忘れ家を捨て 義の為恥を忍ぶとや 」というくだりがある。同じ意味ではないが、高山彦九郎、蒲生君平と共に、「寛政の三奇人」と言われた林 子平の歌にこういうものがある。
家もなく妻なく子なく版木なく金もなければ死にたくもなし
林はロシアの攻撃から国を守るために国防の必須なるを説いた警世の書『海国兵談』を書いた。その書は幕府によって異端の書とされて版木(印刷するために字を彫った板)没収され、仙台の家に禁錮幽閉されてしまう。幽閉中に多くの和歌を作り、自筆本『籠居百首』を残してその表紙に「六無斉遺詠」と記した。前述の和歌は、その六つの「無い」を詠んだものだ。(「辞世の歌」)より。幕末の志士の歌で「死にたくもない」と詠んだ歌は林以外に知らない。『辞世の歌』を書いた松村雄二氏は、「余程残念だったろう」と書いている。
金がないぐらいで、すぐオロオロしていては林 子平に申し訳ないか。