3月8日(水)晴れ。
朝食は、サンマの干物、焼きのり、豆腐とワカメの味噌汁。昼は抜いた。夜は、ミスジ肉、鶏肉と大根の煮物、キャベツのコールスローサラダ。お供は「黒霧島」。酔狂亭にて独酌。
古い話で恐縮だが、ダイアナさんが最後に泊まっていたのがパリのオテル・リッツ。映画「真昼の情事」の舞台になったり、ココ・シャネルが愛したホテルとしても有名である。野村先生のお供をして、ローマ、シチリア、パリへの旅をしたのは平成4(1992)年の9月4日から18日のこと。この時の宿となるホテルの一覧を見たジャルパックの添乗員さんが、「こんなに凄いホテルに泊まれるなんて感激です」と思わずつぶやいた。それまで、ほとんど海外旅行などに行ったことのなかった私には、添乗員さんの云う「凄いホテル」という言葉に全く反応しなかった。それらのホテルの高級さを知ったのは、恥ずかしながら随分と後年の事である。
ローマは、スペイン階段の上にある「ハスラー」、ナポリでは「卵城」の目の前の「エクセルシオール」、ヴェニスは、アンジェリーナジョリーの主演映画「ツーリスト」に出てきた「ダニエリ」、シチリア島のタオルミーナでは、やはり映画「グランブルー」に使われた「サン・ドミニコ・パレス」、パリは、前述の「オテル・リッツ」である。当時、カメラはまだフィルムで、ビデオも8ミリカセットだった。今のようにデジタルで好きなだけ撮って、あとで処理できるなんて言う贅沢なことは出来なかった。しかし、撮った枚数が少ないからこそ、心の中に思い出としてしっかりと焼き付いている。恐らく、もう二度と訪れることはないだろうから、余計に、強烈に残っている。※夕暮れのローマ、ホテル・ハスラーの前で。私は42歳だった。