5月5日(金)晴れ。
私が子供の頃は、横浜の下町だったせいもあり、お金持ちの家には大きな鯉のぼりが泳いでいた。今では、鯉のぼりを立てるような広い庭のある家も少なくなり、鯉のぼりの泳ぐ姿を見ることがない。そして「こいのぼり」の歌も当然ながら歳と共に歌わなくなった。幼稚園や小学校の低学年の子供たちは、歌っているのだろうか。ちなみに私たちの世代では良く知られている「こいのぼり」の歌は二つある。
いらかなみとくものなみ かさなるなみのなかぞらを たちばなかおるあさかぜに たかくおよぐやこいのぼり
やねよりたかい こいのぼり おおきいまごいは おとうさん ちいさいひごいは こどもたち おもしろそうに およいでる
最初の歌の「いらかのなみ」とは「甍の波」と書き、屋根の瓦が重なり波のように見えることを歌ったものだが、都会では、瓦屋根のある家などほとんどない。台風で屋根が飛ばされないようにと瓦を葺く(かわらをふく=日本家屋の屋根を瓦で覆う瓦工事のことを)のだが、大きな地震が来ると、その瓦の重さで家がつぶれてしまうことがままある。台風は毎年来るが、家がつぶれてしまうような地震は何十年かに一度だ。
我が家の柱には「背比べ」の傷がある。子供が、幼稚園くらいの頃から中学生までのものだ。下の子供が、お姉ちゃんに負けまいと、背伸びをするのを、良く注意をしたものだ。柱の傷は、随分前の5月5日の背比べ・・・。