五月五日(水)晴れ。
朝七時、弘前からの深夜バスで東京に着いたと連絡があった。なぜか帰りのバスは東京停まり。そこから横須賀線で帰ってくるというので、迎えに行った。愚妻と下の子供が、大きな荷物を抱えて到着。自宅に戻ってから、久し振りに家族揃って朝食。
良い天気なので、午後からは、納戸の整理を行った。貧乏性なので、中々物を捨てられない。いつか役に立つかもしれないと、とっておくのだが、結局は邪魔になって処分してしまう。結婚式の引き出物や、お中元、お歳暮などで頂いたタオルや石鹸も随分とたまってしまった。どんどん新しいものを使えば良いのだが、それが出来ない。多少古くても捨てられないのだ。困ったものだ。
産経新聞の横浜版に、「名作まち歩き」というコラムがある。小説に書かれた場所を、作品と共に紹介するものなのだが、これが面白い。と言っても私の場合は、横浜について書かれたもの以外は興味はないが、私の知らない横浜も紹介されているので、切り抜いてスクラップしている。
先月、紹介されていたのは、笙野頼子さんの「タイムスリップ・コンビナート」という小説に描かれた、JR鶴見線の「海芝浦」という駅。京浜工業伝いを走る鶴見線の終点なのだが、この駅は、一般人は降りることが出来ない。片側は海で、反対側は東芝の工場につながっていて、東芝の社員証がなければ改札を出ることが出来ないのだ。
※海芝浦駅です。どなたかのサイトからの転用です。すみません。
ちなみに、鶴見線は埋め立ての場所を走るので、人名の付いた駅もある。例えば、大地主だった小野信行の名前をとった「鶴見小野」。浅野セメントの創業者である浅野総一郎の「浅野」。安田財閥、現在の「みずほグループ」の創始者で、右翼の朝日平吾に刺殺された安田善次郎の名前をとった「安善」など。余談ではあるが、その安田善次郎の寄付で建てられたのが日比谷公会堂。昭和三十五年、社会党の浅沼稲次郎が、その日比谷公会堂で山口二矢に刺殺される。何か不思議な因縁のような気がしてならない。その鶴見線に一度、時間を作って、乗ってみたいと思っている。
夜は、青森から、好物の「筋子」と鎌田屋の「つがる漬」が届いたので、芋焼酎の「西郷庵」で、今日も我が酔狂亭で中破・良飲。