火曜日は腎臓内科の若い先生(大学病院から3か月交代できている)が当直だった。午後9時に腹痛・嘔吐の65歳男性が救急外来を受診していた。救急搬入ではなく、自宅の車での受診だった。
午後8時頃に夕食を食べた後からの、突然といっていい発症だった。痔核の手術歴があるが、腹部手術の既往はなかった。特に通院はしていない。当院の人間ドックを年1回受けていて、昨年7月の検査では異常がなかった。
診察中にも腹痛が続き、嘔気・嘔吐が続いていた。腹部所見は「筋性防御っぽい」と記載していたが、後で考えると腹膜炎ではないが、腹部全体に力を入れている状態だったのだろう。
腹部単純CTで小腸の拡張を認めて、腸閉塞の疑いと判断していた。地域の基幹病院外科に連絡(外科系の当直医)して、搬送となった。
昨日病床逼迫の連絡(FAX)が入っていて、緊急症例はできるだけとりますので、病状の落ち着いた患者さんの転院をよろしくいう内容だった。そんな中で受けてくれてありがたい。
CTで腸管がぐるっと回っている所見がある。beak sign?と取れる部位もあり、whirl signとは決められないが、腸管膜の血管が回転しているようでもある。
造影はしていないが、絞扼性腸閉塞でいわゆる腸捻転の状態のようだ(内ヘルニア?)。消化管穿孔のような発症でもあるが、Free airはなかった。
バイタルや血液検査(末梢血・生化学)はまったく異常がなかった。造影CTで腸管の造影不良域を確認して緊急手術になると思われる。
火曜日の日中も同院の外科に患者さんを搬送したが、外科医が手術に入っていてすぐには電話に出られなかった(いったん切って先方からの連絡待ちとなった)。その後慌ただしく連絡が入って、受けてもらえた。本当にご多忙中恐縮ですが、だった。