スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

習志野きらっとスプリント&スピノザとボイル

2015-07-21 19:13:16 | 地方競馬
 昨日の第5回習志野きらっとスプリント
 カベルネフランとキョウエイロブストが逃げ争いを演じる展開。単独の3番手がルックスザットキル。ピンクストーン,サーモピレー,コアレスピューマの3頭が集団。サクラシャイニー,サトノタイガーと続きました。最初の400mは22秒9で,この距離としてはかなりハイペースだったといえます。
 前2頭の争いは直線入口まで続きましたが,ルックスザットキルがあっさりと交わしていきました。馬群を割ったサクラシャイニー,外を回ったサトノタイガー,さらに外に出たサーモピレーの3頭が追いましたが追い付けず,ルックスザットキルが優勝。最後によく迫ったサトノタイガーが4分の3馬身差で2着。サーモピレーが半馬身差で3着。
 優勝したルックスザットキルは先月の優駿スプリントに続き南関東重賞連勝。距離短縮は有利で,斤量の恩恵もありましたが,初めての遠征競馬で初の左回りをこなし,実力ある古馬を退けたのですから,価値ある勝利だったといえるでしょう。スプリント路線では地方競馬を代表する馬になれる可能性があると思います。
 騎乗した大井の早田功駿騎手,管理している大井の中村護調教師は習志野きらっとスプリント初勝利。

 スピノザとロバート・ボイルRobert Boyleの論争のうち,哲学的観点から注意が必要なのは,スピノザはボイルの方法には否定的だったけれど,ボイルの哲学的見解を否定したわけではないという点です。自然現象一般が,法則によって説明可能であるという点では,スピノザもボイルも一致しています。
 僕の考えでは,オルデンブルクHeinrich Ordenburgがスピノザの哲学をよく理解できなかったということにこれは関係します。たぶんそれが法則によって説明されるということを,自然現象いい換えれば物体に限ってスピノザは主張しているとオルデンブルクは判断したのだと思います。実際にはスピノザがいう自然は能産的自然Natura Naturansと所産的自然Natura Naturataのすべて,すなわち自然のうちに実在するあらゆるものに妥当します。だからスピノザの考えを推し進めていけば,たとえば聖書のうちに自然法則に合致しないこと,いわゆる奇跡miraculumが書かれているとすれば,それは真理に反するということになるでしょう。オルデンブルクはそこまでは考えてなく,たぶんボイルも同様で,スピノザは両者の考えのさらに先までいっていたことになります。スピノザがそこまでいっていることに,オルデンブルクはあるときまで気付かず,だからふたりの間で多くの書簡がやり取りされたのでしょう。
                         
 スピノザとボイルが直接的にやり取りしなかったのはたぶん言語の問題です。「スピノザと言語」で示したように,英語はスピノザが使える言語ではありませんでした。ボイルはたぶんラテン語が不得手で,英語で書いていたのだと思います。『スピノザ往復書簡集』書簡二十六のオルデンブルク宛で,ホイヘンスがボイルが出版した論文を持っていたのだけれど,英語で書かれていたから借りることができなかったという意味のことをスピノザがいっているからです。この後で,英語で書かれた顕微鏡の観察に関する書もあったといっていて,こちらはボイルの助手のフックが書いたものかもしれません。
 オルデンブルクは,スピノザとボイルの間では,単なる仲介者というより,通訳であったことになります。ボイルの論文をオルデンブルクがラテン語に翻訳することにより,スピノザはその内容を知ることができたのでした。
コメント
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