スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

農林水産大臣賞典レディスプレリュード&第一形態

2022-10-07 19:40:48 | 地方競馬
 昨晩の第19回レディスプレリュード
 ティーズハクアは立ち遅れて1馬身の不利。ショウナンナデシコが逃げて2番手にフラーレン。3番手がダノンレジーナで4番手がリネンファッション。5番手にプリティーチャンス。6番手にフワトロ。7番手のレディバグまで差がなく続きました。2馬身差でメモリーコウ。9番手にテリオスベル。2馬身差でニーズヘッグとティーズハクア。最後尾にサルサレイアという隊列。向正面に入るとテリオスベルが外から一気に進出。ショウナンナデシコの前に出て先頭に立ちました。最初の800mは50秒8の超スローペース。
 3コーナーではテリオスベルが先頭。2番手にショウナンナデシコとフラーレンで4番手にダノンレジーナとプリティーチャンスとリネンファッション。直線に入るとショウナンナデシコはテリオスベルの内へ。テリオスベルの外がフラーレンでフラーレンの外からプリティーチャンス。直線はこの競り合いからフラーレンが脱落。残る3頭はフィニッシュまで激しく競り合い,一番外から抜け出たプリティーチャンスが優勝。内のショウナンナデシコが一旦は2番手に上がったものの,テリオスベルが差し返して1馬身差の2着。ショウナンナデシコはクビ差で3着。
 優勝したプリティーチャンスは重賞初制覇。このレースはショウナンナデシコの能力が上だったのですが,この馬は重賞初挑戦だったとはいえTCK女王盃は2着。その後は左回りばかりで4連勝していましたので,大井の1800mに戻るここでは死角がないわけではないとみていました。プリティーチャンスはオープン入りした後,大きく負けることはないまま前走で重賞2着になっていましたから,ショウナンナデシコの不安が現実になれば逆転候補の筆頭。そういう条件でのレースで斤量差もありましたから,能力でプリティーチャンスがショウナンナデシコを逆転したというわけではなく,左回りに戻るJBCレディスクラシックでは,ショウナンナデシコの巻き返しもあるとみています。父はシンボリクリスエス。母は2000年にクインカップを勝ったフューチャサンデー
 騎乗した岩田望来騎手と管理している野中賢二調教師はレディスプレリュード初勝利。

 スピノザの哲学では,事物は進化することもあれば退化したり劣化したりすることもあることになっています。これに対して,弁証法は事物は進化することはあるけれど退化したり劣化したりしないことが前提となっています。弁証法が進んでいく過程というのは,事物が進化していく過程であり,かつ弁証法は逆方向に戻るということはないからです。スピノザの哲学からみたときに,弁証法がそのようになっているのは,因果論つまり第一部公理三を貫徹していないからということになります。そしてこのことが,たとえばヘーゲルGeorg Wilhelm Friedrich Hegelは国家Imperiumを人間あるいは人類の最終形態であるとみなすのに対し,スピノザは国家を人間あるいは人類の最終形態とみなさないということとも関係するのです。
                                   
 実際に僕たちが現実的に存在している世界,ここではこれを個物res singularisの世界といいますが,個物の世界では原因causaと結果effectusの連鎖というのは,スピノザの哲学では無限に続くことになっています。これは第一部定理二八から明白だといわなければなりません。ただしこの定理Propositioは,原因から結果,そしてその結果からまた別の結果という方向で無限に連鎖していくということを証明しているのではなく,ある結果には原因があり,その原因にはまた原因があるという方向で無限に連鎖していくということを証明しています。このためにこの定理にはある消極的な意味が含まれることになります。それはある特定の結果から原因,その原因,またその原因という具合にいくら辿っていったとしても,最初の原因に辿り着くことはないということです。つまりスピノザの哲学における個物の世界では,最初の原因というのがありません。それは,最終形態に合わせていうなら,第一形態がないという意味です。つまりスピノザの哲学ではそもそも第一形態というのがありません。第一形態がないのなら最終形態もあるわけがありません。ですから,国家が人類あるいは人間にとっての最終形態ではないというだけでなく,どんな事物であっても,それが個物であるとみなされる限りでは,そのものの最終形態というのはあることができないのです。ですから本来は,国家に限定して考える必要はなかったのです。
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