「お子さんが暗がりのほうで遊んでいるので、
周りの大人は注意してあげてください。」
こんな放送が入るくらい、周りが暗い。
それが深大寺の盆踊りの良いところだ。
良くない、と思う人も多いかもしれない。
深大寺辺りは観光地として繁華しているほうだと思う。
同じようにだるま市が名物の拝島大師を訪れた時に、驚いた。
寺の規模は同じくらいだが、周囲に何も無い。
深大寺は、植物公園があるのと、蕎麦という食べ物の名物があったのが
栄えた原因だろう。
その蕎麦屋が増えたのも、昭和四十年代のことらしいので、
私が生まれる前はもっと静かだったのだろう。
その蕎麦屋も、午後5時には閉じる。
早く、暗く、深い夜が始まる。
そこに櫓を組んで提灯下げて盆踊りですからね、
華やかですよ。
私が子どもの頃、この辺りはもっと暗かった。
街灯も今より少なかったし、
植木畑は今より多かったし、森はもっと深かったし、
道がも少し狭かった。
鬱蒼と暗い所が多かった。
そこで育ったので、人気の無い暗い夜道にはすっかり慣れた。
今、東京都市部や郊外辺りで、それだけ暗いところは
ほんのすみっちょにしか無いように思う。
もうひとつ良いのは、その暗がりを水が流れていることだ。
会場の四辺いづれも水路が通っている。
おかげでとても涼しい。
湧き水も減ってしまったが、
なんとか残っているもののひとつが、
会場の目の前の深沙堂の裏手にある。
深沙大王というのが、そもそも水神だろう。
※
何年か前に踊りの先生が引退して以来、
ここの踊りはリードする人がいなくて、すたれていた。
しかし、今は青年会ががんばっていて、よく踊る。
練習しているのが伝わる。
太鼓は、前半の時間は小学生が叩くが、これもかなり達者だ。
曲をちゃんとおぼえていて、キメをはさんでくる。
櫓にもたれて鉦を叩く高学年なんか、襟をはだけて粋がっちゃって、
男ジェンダーを走り始めていて憎たらかっこいい。
青年会の努力も実り、櫓の周りの輪も、数年前より人数が増え、
どの曲でもしっかり輪になる。
子どもも後ろに付いてくる。
高学年か、中学生か、浴衣の女子が後ろで踊っている。
とても上手だ。
踊り始めに、櫓の上に人がいなかった。
曲は大東京音頭で、これなら私も踊り始めをおぼえていたので、
しっかり踊った。
しかし、遅れて櫓に登った人たちは、違う拍から踊った。
私はこういうときにすぐに櫓に合わせる。
大東京音頭の楽しいところ、くるりと270度右に回って櫓に向かったとき、
女の子があれれっと戸惑った。
ずれちゃったね。と話しかけた。
次の曲も、ずれた。
後ろの女の子が、また、あれれという表情をしている。
またずれちゃったね。と声をかけると、
「気になるう。」と応えてくれた。
少々ぴょこぴょこと跳ねる感じがあるが、若いんだから、それもかわいい。
指先まで気持ちが行き届いていて、きれいに踊る。
それだけ踊ってりゃ、拍のずれは気になるだろうな。
私は写真を撮るために少し輪を離れたりしたが、
最後の曲の時に、向こうのほうからこの子がすっと後ろに入ってきた。
今日も雨降らないと良いが。
周りの大人は注意してあげてください。」
こんな放送が入るくらい、周りが暗い。
それが深大寺の盆踊りの良いところだ。
良くない、と思う人も多いかもしれない。
深大寺辺りは観光地として繁華しているほうだと思う。
同じようにだるま市が名物の拝島大師を訪れた時に、驚いた。
寺の規模は同じくらいだが、周囲に何も無い。
深大寺は、植物公園があるのと、蕎麦という食べ物の名物があったのが
栄えた原因だろう。
その蕎麦屋が増えたのも、昭和四十年代のことらしいので、
私が生まれる前はもっと静かだったのだろう。
その蕎麦屋も、午後5時には閉じる。
早く、暗く、深い夜が始まる。
そこに櫓を組んで提灯下げて盆踊りですからね、
華やかですよ。
私が子どもの頃、この辺りはもっと暗かった。
街灯も今より少なかったし、
植木畑は今より多かったし、森はもっと深かったし、
道がも少し狭かった。
鬱蒼と暗い所が多かった。
そこで育ったので、人気の無い暗い夜道にはすっかり慣れた。
今、東京都市部や郊外辺りで、それだけ暗いところは
ほんのすみっちょにしか無いように思う。
もうひとつ良いのは、その暗がりを水が流れていることだ。
会場の四辺いづれも水路が通っている。
おかげでとても涼しい。
湧き水も減ってしまったが、
なんとか残っているもののひとつが、
会場の目の前の深沙堂の裏手にある。
深沙大王というのが、そもそも水神だろう。
※
何年か前に踊りの先生が引退して以来、
ここの踊りはリードする人がいなくて、すたれていた。
しかし、今は青年会ががんばっていて、よく踊る。
練習しているのが伝わる。
太鼓は、前半の時間は小学生が叩くが、これもかなり達者だ。
曲をちゃんとおぼえていて、キメをはさんでくる。
櫓にもたれて鉦を叩く高学年なんか、襟をはだけて粋がっちゃって、
男ジェンダーを走り始めていて憎たらかっこいい。
青年会の努力も実り、櫓の周りの輪も、数年前より人数が増え、
どの曲でもしっかり輪になる。
子どもも後ろに付いてくる。
高学年か、中学生か、浴衣の女子が後ろで踊っている。
とても上手だ。
踊り始めに、櫓の上に人がいなかった。
曲は大東京音頭で、これなら私も踊り始めをおぼえていたので、
しっかり踊った。
しかし、遅れて櫓に登った人たちは、違う拍から踊った。
私はこういうときにすぐに櫓に合わせる。
大東京音頭の楽しいところ、くるりと270度右に回って櫓に向かったとき、
女の子があれれっと戸惑った。
ずれちゃったね。と話しかけた。
次の曲も、ずれた。
後ろの女の子が、また、あれれという表情をしている。
またずれちゃったね。と声をかけると、
「気になるう。」と応えてくれた。
少々ぴょこぴょこと跳ねる感じがあるが、若いんだから、それもかわいい。
指先まで気持ちが行き届いていて、きれいに踊る。
それだけ踊ってりゃ、拍のずれは気になるだろうな。
私は写真を撮るために少し輪を離れたりしたが、
最後の曲の時に、向こうのほうからこの子がすっと後ろに入ってきた。
今日も雨降らないと良いが。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます