初体験 リハビリ篇

まあまあ聴いてきているのに、やったことが無いのが、ビッグバンドだった。

金管をやっていると、ブラスバンド出身と思われがちだ。
バンド人口は実際多い。
私はオーケストラでトロンボーンを始めて、
あとはソウル・ファンクバンドで、３管くらいのセクションで吹いてきた。

小学生の頃、大学のビッグバンドのイベントを見に行ったことがある。
明治大学や、どこやらや、いろんなバンドが入れ替わり立ち替わり登場したが、
中でも日大リズムソサエティに惹かれたのを憶えている。

音楽活動を中心に生活していた時は、ファンクバンドのかけもちで
手一杯だった。
そこでなんとかなろうと、それだけだった。

それを一旦、一切やめた。
でも数年経ったらやめていられなくなった。
鍼灸学校に入り、３年間勉強して、国家試験を受けて、鍼灸師の資格が取れた。
父が他界して、実家に戻り母と同居した。
生活が変化した。
音楽のムシがムズムズ言い出すのに時間はかからなかった。

金管楽器はスポーツと同じで、自分の体を鳴らすものなので、
リハビリが他の楽器よりもたいへんなように思う。
この２年くらいリハビリしてきたが、なかなか取り戻せない。
取り戻すという感覚だと、リハビリは辛くなる。
すべては初めてだと思えば、できるようになったことはいちいち嬉しいはずだ。

しかし、昔取った杵柄なんて、ヘタに持っていると、
すべてを初めてだと思うなんて、ムズカシい。
以前はできたことができなくてくやしい。
できたとしても、もともとできていたことができただけなので、できて当たり前。
どこまでできても、ホメどころにならない、というところにハマッてしまう。
これがリハビリの怖さだ。

スポーツするひとが怪我をした後とか、
病気で寝込んだ後とか、
老人とか、
同様だろう。
「できるはずのことができない」と思ってしまうと、
できるようになった時の喜びが減ってしまうので、
リハビリに取り組むことがつらくなってしまう。
できない、というラインに一旦自分を置くと、あとは進む一方になれる。

そこでいっそのこと、初めての環境に自分をブチ込んで、
ほんものの初心者にしてしまうことにしてみた。

というわけで～
ビッグ・バンド・セッションに参加してみた。
そういうの無いかなー、と思っているところに、情報が転がり込んできた。
しかも場所は調布ginz。
ジャズライブの知られた店だ。
地元調布。
こりゃあ行かねばねば！

つづく