犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
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2013年05月10日 | 日々
ちょいと多摩川でロケハンしていたら、こんな場所もあるのね。

5歳で調布に引っ越して来て、翌年自転車に乗れるようになり、
十歳頃には腕時計を買い与えられた。
自転車で遠くへ遠くへ出かけたがるので、「一時間」という約束のための
腕時計だった。
けれど、すぐに一時間では足りなくなった。

足りない一時間を有効に使うには、自転車を可能な限りぶっ飛ばすしかなかった。

子供用自転車のペダルをひたすらこいだ。
初めて多摩川に着いた時に、何分かかったかは憶えていない。
道の向こうに土手が見えた時の、心踊る感覚は今も新鮮に蘇る。

国土地理院の2万5千分の一の「溝ノ口」の地図を買って、
通った道をなぞる。
家に帰ってから、今日走った道を思い出しながら、なぞる。
地図はみるみる赤く染まる。

町は変わる。
新版の地図が出ると買って、またなぞる。

市内をくまなく走り、多摩川の土手づたいに距離を伸ばし、
それでもいつも腕時計の向こうの親の思いに縛られている感覚があった。
ひたすら走るけれど、子どもの自転車のスピードは、
しがらみを振り切れない。

多摩川はそんなふうに私が育った場所で、今日も土手を登ると
いろんな気持ちの入り混じった爽快感がある。



しかし、花園に川、って、アレよね。


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