犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
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古着

2016年02月01日 | 毎月馬鹿
[あらすじ] 世田谷ボロ市で、手拭いを買いまくった。


手拭いは、古着屋の店先で、段ボールにごっそりと詰め込まれて
売られていたりする。
どこでどうやって手に入れてきたのかわからない、
誰かが何かの記念に作って配ったものの大量に余ったものが
束になっていたり、シミたりヤケたりした物も売っている。
そういう中から掘り出すのも、ボロ市の楽しみだ。

動画を撮る時の衣装になるかと、ある手拭いを買った古着屋で、
ヨレヨレの帽子をひとつ買った。
それは最初、帽子には見えないくらいヨレヨレで、
なんだかただの頭陀袋かと思って手にしたのだ。

しかしこれがかぶってみると、ゆったりとして心地よい。
寒い日には、室内で帽子をかぶることは、先週ここでも書いた。
http://blog.goo.ne.jp/su-san43/e/b36b4f62b07448aedf440e62afd48293
天気が悪ければ、一日帽子をかぶっていることになる。
なるべく頭を締め付けない、かぶっていることを忘れるような物がいい。

帽子だとはわからないようなそのシロモノは、
かぶってんだかかぶってないんだかわからないようなヨレヨレぶりで
頭をやさしく包んでくれた。

これなら、寝ている間にかぶっていても、負担にならない。
一昨日の夜、私はヨレヨレを頭にかぶって、床に就いた。

明け方、何か日頃と違う雰囲気で目が覚めた。
明け方は高速道路の走行音も少なく、深大寺の町は森閑としている。
そこに、人声がするのだ。
こんなに早いうちから、どうしたのだろう。

大人の声と、子どもの声が混ざっているようだ。
近く聞こえたり、遠く聞こえたりしている。
お隣に越して来た家族が、早起きしてお出かけでもしようとしているのだろうか。
「早く行こう、早く行こう」
という言葉が聞き取れたようだ。

しかし、数分経つと、声が増えた。
家族だけでなく、お隣が集合場所にでもなっていて、
子ども会で遠足にでも行くつもりだろうか。
「はい、ならんでならんで」と
大人の声がする。

笑い合う声が聞こえたり、「おはよう!」と挨拶を交わす声が聞こえたり、
ふざけ合う声が聞こえたり、
元気そうなのはけっこうなことだが、早朝からこの騒ぎでは、
子どもの無い家から苦情でも来そうだ。

ちょっと様子を見よう、と窓から隣の方を見てみるが、
人影は無い。
日の出前のことで、辺りはまだ暗い。
東の空が白んできて、美しい。
寒い寒い。
私は戻って、寝袋に下半身を突っ込んだ。

次の瞬間、意外なほどに近くから声がして、びっくりした。
目の前の道も人通りのほとんど無いこの家で、
周囲から人声が聞こえるのだけでも異常で驚くのに、
窓近くに声がするのだ。
しかも二階なのに!?

パタパタパタ・・・という羽音とともに、
声が遠のいて行った。

なんじゃこりゃ。
私はもう一度、窓に近寄り、そのつもりで辺りを見た。

これは、たしかに、鳥たちの話し声だ。
今はもう、たくさんの声が重なり合っているが、
ところどころ、言葉が聞き取れる。
挨拶や、「寒いね」とか、今日これから行く所の事や、
昨夜ねぐらで何があったか、カラスやハクビシンについての噂話、
近在のネコの性格の違い、餌場情報、等々・・・。

毎日英語ばかり浴びるように聞いていると、ある日突然
全部意味がわかるようになる、と言うけれど、
これはその現象だろうか??

私は異能を手に入れたようだ。

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