犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
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がまたますくい

2023年03月15日 | イキモノタチ
良い天気だ。
一昨日は雨、昨日は晴れたが冷え、今日はよく晴れて暖かい。

タラの芽が出始めている。
と、
ひと作業して10分後に見ると、さっきより伸びているように見える。
怖いくらいのスピードで芽吹いている。吹き出している。噴出している。

ハッ
と、気付く。

静かだ。

つい一昨日くらいは大賑わいだった池が、静かなのだ。

「コォ、コォ、コォ、コォ、」という声も無いし、
水面に波は一切無い。

ああ。終わったのだ。
産卵が終わったのだ。

と、いうことは、この池の底は、
ガマの卵で満ち満ちているってわけだ。

陽射しのおかげで藻が増えて、水は緑に染まって、水中は見えない。



絶対、今のこの池に落ちたくない。
足元に注意しながら、熊手で底を撫でて、
壁に寄せて上げてみる。

ずっしりと手応えが有り、
そして、ゼラチン質の太い紐の束が水面に現れた。
「うひいいい」
思わず声が出る。
いつ見てもすごい量だ。

また掬ってみると、今度は雌蛙の死体も上がった。
産卵を終え、一生を終える。
卵を産むために産まれてきたのだ。
産むために産まれ、産んだので死ぬ。



池のすぐわきの地面に穴を掘って、
救った卵の紐と屍骸を投げ込む。
というか、流し込む。というか、送り込む。

池の縁は煉瓦で作ってある。
この上を歩いている。

池から掬い上げた泥とゼラチン質の紐の千切れたのが
煉瓦の上に残る。
そこを歩いてうっかり足を滑らしたりしたら、
今や腐りかけの泥と卵塊と死んだ雌ガマの積もる池の底に私も沈むことになる。
いやだいやだいやだ。

なんとなく記憶によれば、
毎年、ヒキガエルの産卵ブームは2回くらい有った気がする。
と同時に、3月半ばにはそれが終わったとも記憶している。

今年はこれで終わりか。

毎年この作業をするけれど、きっと掬い残しが有って、
我が家の池から巣立つ幼ヒキガエルがいて、
そいつらが古巣に戻って産卵するのだろう。

毎年、「今年こそ殲滅するぜ」という意気込みで立ち向かうが
イキモノ相手にそんなことなかなか成立しないんである。

季節の恒例行事として楽しんでいる次第。

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