抜け毛の季節である。
犬の衣替えだ。
表面を覆う粗い長めの毛ではなく、
その下に生えている細くて柔らかい毛が抜ける。
下の毛が抜けるので、上の毛にまつわってすんなりとは抜けない。
ゆっくりと浮いてくる。
モコモコの塊が、わき腹や太腿やお尻の辺りに溜まる。
これを摘まんで、「ほくっ」と取る時の感触がたまらなく、いい。
日本犬の特徴である。
※
ウーゴはボディが柴犬である。
耳は焦げ茶、おでこも焦げ茶、鼻は黒地に白い毛だ。
たてがみ部分が少し長めである。
柴犬の血も入っていそうだが、あとは何が混じってんのやら。
柴犬も日本犬らしく、モコモコが溜まって抜ける。
ボディが柴なので、私はこの抜け毛が楽しみだった。
しかし、ウーゴはあんまりごっそりとは抜けなかった。
期待外れだった。
けれど、今季はけっこうよく抜ける。
※
2年半前に保護団体から引き取って、我が家に来た。
その数日後から、アレルギーが出た。
掻いて掻いて、舐めて舐めて、
前肢におハゲができた。
フードが変わったせいだろうか。
いろいろ試したが、痒いのはおさまらない。
保護団体から貰う前に、アレルギーの有無について質問したが、
「ありません」という話だった。
有るじゃん。と思った。
獣医さんは「ハウスダストかもしれません」と言う。
うーん。
確かに、その年から私が寝るようになった部屋に
どうやらダニがいるようで、私も被害を受けていた。
※
痒み止めを飲んだら効いたので、「心因性ではない」ということになった。
けれど、
引っ越してきて直後に舐め舐めでおハゲまで発展したのは、
お繊細なウーゴくんのこと、ストレスも無関係ではなかっただろう。
というのも、
痒みは有ってもハゲを作るほどのことは、その後は無かったからだ。
※
そして、ダニアースを使うことによって、
ついにどうやら痒みが出なくなっている。
これが、今年は「ごっそり」と毛が抜けた理由ではないか、と
私は考えている。
つまり、
今までは痒みが有るので、ちょくちょく身体を掻いていて、
それで抜け毛がこまめに取れていた。
今年は、身体を掻かないので、抜け毛が取れずに溜まっていった。
というわけだ。
※
モコモコのにこ毛がたんまり取れた。
こりゃあ、フェルトにするっきゃないじゃないの。
犬の毛のフェルトは、北のほうの民族が利用する、
と聞いたことが有る。
でも試さなかった。
というのも、「ただ、すごくクサい。」という話だったからだ。
まあ少々クサくったって、飼い犬のにおいだ。
※
光浦靖子がフェルト細工の本を出した頃、
近所の友達の間でも大いに話題になった。
私も図書館で本を借りてきて、読んで大いに笑った。
たしか、針で突いて固めていくのだ。
と思って、ニードルで突いてみたが、いっこうに変化しない。
いけない。
それに、指先を針で突いてしまう。
痛い。
いやだな。
You tubeで探すと、飼い犬の毛で飼い犬のちっこい分身を作っている動画が有った。
考えることは一緒ね。
そして、「指を刺します」と言っている。
どうしても刺すものらしい。
それにしても、まとまらない。
キューティクルが健康なのだろう。
熱を加えるといいかもしれない。
※
16時頃、手芸をはじめ何かとものづくりに詳しい、近所の幼なじみ友人Mに電話した。
もしかして、フェルト用のニードルを持ってらっしゃる?
「持ってますよー。」
貸していただける?
「もちろん。」
今ご在宅?
「はい」
※
Mは、フェルトニードル2種と、作業の台にするブラシを準備していてくれた。
「専用のニードルでね、表面になんかカエシみたいなのが付いてるわけ。」
ははーん。そんで引っ掛かるんだ。
「フェルト作家さんに聞いたら、指は刺すって。」
やっぱりか。
「立体はものすごい時間がかかるって。」
ゲッ。
「洗剤と熱湯で洗うといいよ。キューティクルを傷めつける。」
あっ、やっぱりそうか。
いろいろありがとう!
やはり、経験者に聞くに限る。
※
さっそく、抜け毛を食器用洗剤で洗う。
いやきったねえの。
毛をよく絞って、ニードルで突いてみる。
「ザクザクザク」
おお!
なんとも言えない感触だ。
「ザクザクザクザクザクザクザク」
時間をかけてらんない。
「毛が抜けて抜けて、犬がちっちゃくなっちゃいました」という法螺が書きたいのだ。
4月1日の宵のうちに仕上げたい。
「ザクザクザクザクザクザクザク」
電動工具のようなスピードでニードルを刺す。
専用の道具は素晴らしい。
おそろしくはかどった。
つづく
犬の衣替えだ。
表面を覆う粗い長めの毛ではなく、
その下に生えている細くて柔らかい毛が抜ける。
下の毛が抜けるので、上の毛にまつわってすんなりとは抜けない。
ゆっくりと浮いてくる。
モコモコの塊が、わき腹や太腿やお尻の辺りに溜まる。
これを摘まんで、「ほくっ」と取る時の感触がたまらなく、いい。
日本犬の特徴である。
※
ウーゴはボディが柴犬である。
耳は焦げ茶、おでこも焦げ茶、鼻は黒地に白い毛だ。
たてがみ部分が少し長めである。
柴犬の血も入っていそうだが、あとは何が混じってんのやら。
柴犬も日本犬らしく、モコモコが溜まって抜ける。
ボディが柴なので、私はこの抜け毛が楽しみだった。
しかし、ウーゴはあんまりごっそりとは抜けなかった。
期待外れだった。
けれど、今季はけっこうよく抜ける。
※
2年半前に保護団体から引き取って、我が家に来た。
その数日後から、アレルギーが出た。
掻いて掻いて、舐めて舐めて、
前肢におハゲができた。
フードが変わったせいだろうか。
いろいろ試したが、痒いのはおさまらない。
保護団体から貰う前に、アレルギーの有無について質問したが、
「ありません」という話だった。
有るじゃん。と思った。
獣医さんは「ハウスダストかもしれません」と言う。
うーん。
確かに、その年から私が寝るようになった部屋に
どうやらダニがいるようで、私も被害を受けていた。
※
痒み止めを飲んだら効いたので、「心因性ではない」ということになった。
けれど、
引っ越してきて直後に舐め舐めでおハゲまで発展したのは、
お繊細なウーゴくんのこと、ストレスも無関係ではなかっただろう。
というのも、
痒みは有ってもハゲを作るほどのことは、その後は無かったからだ。
※
そして、ダニアースを使うことによって、
ついにどうやら痒みが出なくなっている。
これが、今年は「ごっそり」と毛が抜けた理由ではないか、と
私は考えている。
つまり、
今までは痒みが有るので、ちょくちょく身体を掻いていて、
それで抜け毛がこまめに取れていた。
今年は、身体を掻かないので、抜け毛が取れずに溜まっていった。
というわけだ。
※
モコモコのにこ毛がたんまり取れた。
こりゃあ、フェルトにするっきゃないじゃないの。
犬の毛のフェルトは、北のほうの民族が利用する、
と聞いたことが有る。
でも試さなかった。
というのも、「ただ、すごくクサい。」という話だったからだ。
まあ少々クサくったって、飼い犬のにおいだ。
※
光浦靖子がフェルト細工の本を出した頃、
近所の友達の間でも大いに話題になった。
私も図書館で本を借りてきて、読んで大いに笑った。
たしか、針で突いて固めていくのだ。
と思って、ニードルで突いてみたが、いっこうに変化しない。
いけない。
それに、指先を針で突いてしまう。
痛い。
いやだな。
You tubeで探すと、飼い犬の毛で飼い犬のちっこい分身を作っている動画が有った。
考えることは一緒ね。
そして、「指を刺します」と言っている。
どうしても刺すものらしい。
それにしても、まとまらない。
キューティクルが健康なのだろう。
熱を加えるといいかもしれない。
※
16時頃、手芸をはじめ何かとものづくりに詳しい、近所の幼なじみ友人Mに電話した。
もしかして、フェルト用のニードルを持ってらっしゃる?
「持ってますよー。」
貸していただける?
「もちろん。」
今ご在宅?
「はい」
※
Mは、フェルトニードル2種と、作業の台にするブラシを準備していてくれた。
「専用のニードルでね、表面になんかカエシみたいなのが付いてるわけ。」
ははーん。そんで引っ掛かるんだ。
「フェルト作家さんに聞いたら、指は刺すって。」
やっぱりか。
「立体はものすごい時間がかかるって。」
ゲッ。
「洗剤と熱湯で洗うといいよ。キューティクルを傷めつける。」
あっ、やっぱりそうか。
いろいろありがとう!
やはり、経験者に聞くに限る。
※
さっそく、抜け毛を食器用洗剤で洗う。
いやきったねえの。
毛をよく絞って、ニードルで突いてみる。
「ザクザクザク」
おお!
なんとも言えない感触だ。
「ザクザクザクザクザクザクザク」
時間をかけてらんない。
「毛が抜けて抜けて、犬がちっちゃくなっちゃいました」という法螺が書きたいのだ。
4月1日の宵のうちに仕上げたい。
「ザクザクザクザクザクザクザク」
電動工具のようなスピードでニードルを刺す。
専用の道具は素晴らしい。
おそろしくはかどった。
つづく
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます